tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

2021-01-01から1年間の記事一覧

『ヨルガオ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ / 山田蘭・訳

ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)作者:アンソニー・ホロヴィッツ東京創元社Amazonヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)作者:アンソニー・ホロヴィッツ東京創元社Amazon 『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国…

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』青柳碧人

むかしむかしあるところに、死体がありました。 (双葉文庫)作者:青柳 碧人双葉社Amazon 「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの《日本昔ばなし》を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解く全く新しいミステ…

2021年12月の注目文庫化情報

12/3:『迷 まよう』 アミの会 (仮) (実業之日本社文庫) 今年もあと1か月を切りました。 年末恒例の各種ミステリランキングが続々と発表されていて、米澤穂信さんとアンソニー・ホロヴィッツさんは相変わらず強いなと感心しているところです。 私も今読んで…

『熱帯』森見登美彦

熱帯 (文春文庫 も 33-1)作者:森見 登美彦文藝春秋Amazon どうしても「読み終えられない本」がある――。その名も『熱帯』。 この本を探し求める作家の森見登美彦はある日、〈沈黙読書会〉なる催しでふしぎな女性に出会う。彼女は言った「あなたは、何もご存じ…

『沈黙のパレード』東野圭吾

沈黙のパレード (文春文庫 ひ 13-13)作者:東野 圭吾文藝春秋Amazon 静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放され…

『店長がバカすぎて』早見和真

店長がバカすぎて (ハルキ文庫 は 15-1)作者:早見 和真角川春樹事務所Amazon 谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。 店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。…

『リバーサイド・チルドレン』梓崎優

リバーサイド・チルドレン (創元推理文庫 M し)作者:梓崎 優東京創元社Amazon カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリートチルドレンに拾われた。過酷な環境下でも、そこには仲間がいて、笑いがあり、信頼があった。しかし、あまりにもささやかな…

2021年11月の注目文庫化情報

11/9:『レフトハンド・ブラザーフッド (上)(下)』 知念実希人 (文春文庫) 11/9:『中野のお父さんは謎を解くか』 北村薫 (文春文庫) 11/16:『歪んだ波紋』 塩田武士 (講談社文庫) 11/16:『平場の月』 朝倉かすみ (光文社文庫) 11/19:『愛なき世界 (上)(…

『未来』湊かなえ

未来 (双葉文庫)作者:湊 かなえ双葉社Amazon 「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。あなたはきっと、これはだれかのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」 ある日突然、少女に届いた一通の…

『いつかの岸辺に跳ねていく』加納朋子

いつかの岸辺に跳ねていく (幻冬舎文庫)作者:加納 朋子幻冬舎Amazon 俺の幼馴染・徹子は変わり者だ。道ばたで突然見知らぬ人に抱きついたり、俺が交通事故で入院した時、事故とは全く関係ないのに、なぜか枕元で泣いて謝ったり。合格間違いなしの志望校に落…

『夏物語』川上未映子

夏物語 (文春文庫 か 51-5)作者:川上 未映子文藝春秋Amazon 大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢…

『3月のライオン (16)』羽海野チカ

3月のライオン 16 (ヤングアニマルコミックス)作者:羽海野 チカ白泉社Amazon 12月。 年末に向けて、冬が本気を出して来る季節。クリスマス。そして年越し。 川本家で過ごす3年目のお正月は、ジグソーパズルを皆で囲んで。 時に惑いながらも、あたたかな幸せ…

2021年10月の注目文庫化情報

10/6:『ダンデライオン』 中田永一 (小学館文庫) 10/6:『猫はわかっている』 村山由佳 ほか (文春文庫) 10/7:『フーガはユーガ』 伊坂幸太郎 (実業之日本社文庫) 今年もあと3か月を切り、時の経つのは早いものだとため息が出ます。 今月は伊坂さんの作品…

『氷獄』海堂尊

氷獄 (角川文庫)作者:海堂 尊KADOKAWAAmazon 「私が絞首台に吊されるその時、日本の正義は亡びるのです」。新人弁護士・日高正義が初めて担当する事件は、2年前、手術室での連続殺人として世を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」だった。被疑者の黙秘に苦…

『隠れの子 東京バンドワゴン零』小路幸也

隠れの子 東京バンドワゴン零 (集英社文庫)作者:小路 幸也集英社Amazon 江戸北町奉行所定廻り同心の堀田州次郎と、植木屋を営む神楽屋で子守をしながら暮らしている少女・るうは、ともに「隠れ」と呼ばれる力を持つ者だった。州次郎はたぐいまれな嗅覚を、る…

『宝島』真藤順丈

宝島(上) (講談社文庫)作者:真藤 順丈講談社Amazon宝島(下) (講談社文庫)作者:真藤 順丈講談社Amazon しのびこんだ米軍基地で突然の銃撃。混乱の中、故郷(シマ)いちばんの英雄が消えた。英雄の帰還を待ち望みながら沖縄(ふるさと)を取り戻すため立ち上がる、…

『火のないところに煙は』芦沢央

火のないところに煙は (新潮文庫)作者:芦沢 央新潮社Amazon 「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。忘れたいと封印し続けていた痛ましい喪失は、まさにその土地で起こったのだ。私は迷いながらも、真実を知るために過…

2021年9月の注目文庫化情報

9/1:『沈黙のパレード』 東野圭吾 (文春文庫) 9/1:『熱帯』 森見登美彦 (文春文庫) 9/7:『下町ロケット ゴースト』 池井戸潤 (小学館文庫) 9/7:『下町ロケット ヤタガラス』 池井戸潤 (小学館文庫) 9/9:『むかしむかしあるところに、死体がありました。…

『スケルトン・キー』道尾秀介

スケルトン・キー (角川文庫)作者:道尾 秀介KADOKAWAAmazon 19歳の坂木錠也(さかき じょうや)は、ある雑誌の追跡潜入調査を手伝っている。 危険な仕事ばかりだが、生まれつき恐怖という感情が欠如した錠也にとっては天職のようなものだ。 天涯孤独の身の上で…

『本と鍵の季節』米澤穂信

本と鍵の季節 (集英社文庫)作者:米澤 穂信集英社Amazon 堀川次郎、高校二年で図書委員。不人気な図書室で同じ委員会の松倉詩門と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、本には縁がなさそうだったが、話してみると快活でよく笑い、ほどよく…

『東京ホロウアウト』福田和代

東京ホロウアウト (創元推理文庫 M ふ)作者:福田 和代東京創元社Amazon 夏季オリンピック開催間近の東京で、新聞社に「開会式の日、都内を走るトラックの荷台で青酸ガスを発生させる」という予告電話がかかってきたのが、すべての始まりだった。直後、配送ト…

2021年8月の注目文庫化情報

8/3:『夏物語』 川上未映子 (文春文庫) 8/5:『いつかの岸辺に跳ねていく』 加納朋子 (幻冬舎文庫) 8/5:『未来』 湊かなえ (双葉文庫) 8/10:『店長がバカすぎて』 早見和真 (ハルキ文庫) 8/30:『トリニティ』 窪美澄 (新潮文庫) 8/31:『リバーサイド・…

『昨日がなければ明日もない』宮部みゆき

昨日がなければ明日もない (文春文庫 み 17-15)作者:宮部 みゆき文藝春秋Amazon 「宮部みゆき流ハードボイルド」杉村三郎シリーズ第5弾。 中篇3本からなる本書のテーマは、「杉村vs.〝ちょっと困った〟女たち」。 自殺未遂をし消息を絶った主婦、訳ありの家…

『ひとつむぎの手』知念実希人

ひとつむぎの手 (新潮文庫 ち 7-72)作者:知念 実希人新潮社Amazon 大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば……。キャリア…

『ひと』小野寺史宜

ひと (祥伝社文庫)作者:小野寺史宜祥伝社Amazon 女手ひとつで僕を東京の私大に進ませてくれた母が、急死した。 僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。 そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商…

『アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン』小路幸也

アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文庫)作者:小路 幸也集英社Amazon 下町の朽ち果てそうな日本家屋で「東亰バンドワゴン」という古書店を営んでおります。店主の堀田勘一は孫の青が実の母親である池沢百合枝さんと映画で共演することになっ…

2021年7月の注目文庫化情報

7/7:『彼方のゴールド』 大崎梢 (文春文庫) 7/7:『太陽と毒ぐも』 角田光代 (文春文庫) 7/13:『神のダイスを見上げて』 知念実希人 (光文社文庫) 7/15:『わたしの本の空白は』 近藤史恵 (ハルキ文庫) 7/15:『宝島 (上)(下)』 真藤順丈 (講談社文庫) 7/1…

『神のふたつの貌』貫井徳郎

神のふたつの貌 (文春文庫 ぬ 1-9)作者:貫井 徳郎文藝春秋Amazon ――神の声が聞きたい。 牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。 彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。 三幕の殺人劇の結末で明かさ…

『魔力の胎動』東野圭吾

魔力の胎動 (角川文庫)作者:東野 圭吾KADOKAWAAmazon 成績不振に苦しむスポーツ選手、息子が植物状態になった水難事故から立ち直れない父親、同性愛者への偏見に悩むミュージシャン。 彼等の悩みを知る鍼灸師・工藤ナユタの前に、物理現象を予測する力を持つ…

2021年6月の注目文庫化情報

6/8:『神様の罠』 辻村深月ほか (文春文庫) 6/14:『東京ホロウアウト』 福田和代 (創元推理文庫) 6/15:『スケルトン・キー』 道尾秀介 (角川文庫) 6/18:『本と鍵の季節』 米澤穂信 (集英社文庫) 6/24:『火のないところに煙は』 芦沢央 (新潮文庫) 梅雨…