tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『自転しながら公転する』山本文緒

自転しながら公転する (新潮文庫)作者:山本 文緒新潮社Amazon 母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長…

『シーソーモンスター』伊坂幸太郎

シーソーモンスター (中公文庫 い 117-2)作者:伊坂 幸太郎中央公論新社Amazon バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」) アナログに回帰した近未来。配達人…

『罪と祈り』貫井徳郎

罪と祈り (実業之日本社文庫)作者:貫井 徳郎実業之日本社Amazon 元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。 当初は事故と思われたが、殴られた痕がみつかった。 真面目で正義感溢れる男が、なぜ殺されたのか。 息子の亮輔と幼馴染みの賢剛は、死の謎を追い、賢剛の…

2022年12月の注目文庫化情報

12/6:『巡礼の家』 天童荒太 (文春文庫) 12/13:『サーモン・キャッチャー the Novel』 道尾秀介 (光文社文庫) 12/21:『ここだけのお金の使いかた』 アミの会 (中公文庫) 12/21:『たおやかに輪をえがいて』 窪美澄 (中公文庫) ついに今年もあと1か月を切…

『ライオンのおやつ』小川糸

ライオンのおやつ (ポプラ文庫 お 5-5)作者:小川 糸ポプラ社Amazon 人生の最後に食べたいおやつは何ですか―― 若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考え…

『さよならの儀式』宮部みゆき

さよならの儀式 (河出文庫 み 33-1)作者:宮部 みゆき河出書房新社Amazon 親子の救済、老人の覚醒、30年前の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ、無差別殺傷事件の真相、別の人生の模索……淡く美しい希望が灯る。宮部みゆきがおくる少し不思議なSF作品集…

『殺しへのライン』アンソニー・ホロヴィッツ / 山田蘭 (訳)

殺しへのライン (創元推理文庫 Mホ 15-7)作者:アンソニー・ホロヴィッツ,山田 蘭東京創元社Amazon 『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催さ…

KOBUKURO LIVE TOUR 2022 "GLORY DAYS" @大阪城ホール (11/2)

*ネタバレ満載のライブレポです。 2019年7月のコブクロ結成20周年ツアーファイナル公演から実に3年4か月ぶり、ようやく、再びコブクロのライブに参加することができました。 配信ライブは観ていましたが、当然のことながら会場に直接足を運んで参加するライ…

2022年11月の注目文庫化情報

11/8:『十字架のカルテ』 知念実希人 (文春文庫) 11/11:『まち』 小野寺史宜 (祥伝社文庫) 11/22:『荒城に白百合ありて』 須賀しのぶ (角川文庫) 11/28:『罪の轍』 奥田英朗 (新潮文庫) 寒いと感じる日も多くなってきました。 ホットコーヒーを飲みなが…

『本を守ろうとする猫の話』夏川草介

本を守ろうとする猫の話 (小学館文庫)作者:夏川草介小学館Amazon 「お前は、ただの物知りになりたいのか?」 夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。以…

『Iの悲劇』米澤穂信

Iの悲劇 (文春文庫 よ 29-3)作者:米澤 穂信文藝春秋Amazon Iターンプロジェクト担当公務員が直面するのは、過疎地のリアルと、風変わりな「謎」――。 無人になって6年が過ぎた山間の集落・簑石を再生させるプロジェクトが、市長の肝いりで始動した。 市役所の…

『魔眼の匣の殺人』今村昌弘

魔眼の匣の殺人 (創元推理文庫 Mい 12-2)作者:今村 昌弘東京創元社Amazon その日、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子を含む9人が、人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪れた。その主であり、予言者として恐れられている老女は、来訪者に…

2022年10月の注目文庫化情報

10/6:『さよならの儀式』 宮部みゆき (河出文庫) 10/6:『ライオンのおやつ』 小川糸 (ポプラ文庫) 10/7:『罪と祈り』 貫井徳郎 (実業之日本社文庫) 10/19:『定価のない本』 門井慶喜 (創元推理文庫) 10/21:『シーソーモンスター』 伊坂幸太郎 (中公文庫…

『落日』湊かなえ

落日 (ハルキ文庫 み 10-3)作者:湊 かなえ角川春樹事務所Amazon わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された── 新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。 十五年前、引きこもりの男性が高…

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』青柳碧人

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 (双葉文庫)作者:青柳 碧人双葉社Amazon 日本の昔話をミステリで読み解き好評を博した『むかしむかしあるところに、死体がありました。』に続き、西洋童話をベースにした連作短編ミステリが誕生しました。 今作の主人公は…

『イマジン?』有川ひろ

イマジン? (幻冬舎文庫 あ 34-8)作者:有川 ひろ幻冬舎Amazon 「朝五時。渋谷、宮益坂上」。 その9文字が、良井良助の人生を劇的に変えた。飛び込んだのは映像業界。物語と現実を繫げる魔法の世界にして、ありとあらゆる困難が押し寄せるシビアな現場。だがそ…

『いけない』道尾秀介

いけない (文春文庫 み 38-5)作者:道尾 秀介文藝春秋Amazon ラスト1ページですべてがひっくり返る。 話題の超絶ミステリがついに文庫化! 各章の最後のページに挟まれた「写真」には、物語ががらりと変貌するトリックが仕掛けられていて……。 2度読み確実!あ…

『風と行く者 守り人外伝』上橋菜穂子

風と行く者 (新潮文庫)作者:上橋 菜穂子新潮社Amazon つれあいの薬草師タンダと草市をおとずれた女用心棒バルサは、二十年前にともに旅したことのある旅芸人サダン・タラムの一行と偶然出くわし、再び護衛を引き受ける。 魂の風をはらむシャタ〈流水琴〉を奏…

2022年9月の注目文庫化情報

9/1:『Iの悲劇』 米澤穂信 (文春文庫) 9/6:『本を守ろうとする猫の話』 夏川草介 (小学館文庫) 9/7:『傲慢と善良』 辻村深月 (朝日文庫) 9/12:『殺しへのライン』 アンソニー・ホロヴィッツ / 山田蘭・訳 (創元推理文庫) 少しずつ秋が近づいてきたのを感…

『おいしい旅 想い出編』アミの会

おいしい旅 想い出編 (角川文庫)作者:秋川 滝美,大崎 梢,柴田 よしき,新津 きよみ,福田 和代,光原 百合,矢崎 存美KADOKAWAAmazon 15年ぶりに再会した友人と訪れた京都。昔話に花を咲かせるが、みなそれぞれに事情を抱えていて……(「あの日の味は」)。亡くした…

『おいしい旅 初めて編』アミの会

おいしい旅 初めて編 (角川文庫)作者:近藤 史恵,坂木 司,篠田 真由美,図子 慧,永嶋 恵美,松尾 由美,松村 比呂美KADOKAWAAmazon 仕事に行き詰まり、勢いで列車に乗り終点まで……旅先では驚きの出会いが待っていた(「下田にいるか」)。福引きで旅行券を引き当て…

『希望の糸』東野圭吾

希望の糸 (講談社文庫)作者:東野 圭吾講談社Amazon 小さな喫茶店を営む女性が殺された。 加賀と松宮が捜査しても被害者に関する手がかりは善人というだけ。 彼女の不可解な行動を調べると、ある少女の存在が浮上する。 一方、金沢で一人の男性が息を引き取ろ…

『熱源』川越宗一

熱源 (文春文庫 か 80-2)作者:川越 宗一文藝春秋Amazon 樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふ…

『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎

クジラアタマの王様 (新潮文庫)作者:伊坂 幸太郎新潮社Amazon 記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている? ――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見…

2022年8月の注目文庫化情報

8/3:『いけない』 道尾秀介 (文春文庫) 8/3:『カインは言わなかった』 芦沢央 (文春文庫) 8/4:『イマジン?』 有川ひろ (幻冬舎文庫) 8/4:『赤ずきん、旅の途中で死体に出会う』 青柳碧人 (双葉文庫) 8/9:『落日』 湊かなえ (ハルキ文庫) 8/10:『告解…

『四畳半タイムマシンブルース』森見登美彦 / 原案・上田誠

四畳半タイムマシンブルース (角川文庫)作者:森見 登美彦KADOKAWAAmazon 8月12日、クーラーのリモコンが壊れて絶望していた「私」の目の前にタイムマシンが現れた。後輩の明石さんたちと涼しさを取り戻す計画を立て、悪友どもを昨日へ送り出したところでふと…

『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』宮部みゆき

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 文字は怖いものだよ。遊びに使っちゃいけない――。江戸は神田にある袋物屋〈三島屋〉は、一風変わった百物語を続けている。これまで聞き手を務めてきた主人の姪“おちか”の嫁…

『むらさきのスカートの女』今村夏子

むらさきのスカートの女 (朝日文庫)作者:今村 夏子朝日新聞出版Amazon 「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。ベストセラーとなった…

『臨床の砦』夏川草介

臨床の砦 (小学館文庫 な 13-7)作者:夏川 草介小学館Amazon 小さな病院は命がけでコロナに立ち向った。 『神様のカルテ』著者、最新作! 感染症指定医療機関でコロナ禍の最前線に立ち続ける現役医師が自らの経験を克明に綴った記録小説! 「神様のカルテ」シ…

2022年7月の注目文庫化情報

7/6:『コロナ黙示録 2020災厄の襲来』 海堂尊 (宝島社文庫) 7/6:『コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴』 海堂尊 (宝島社文庫) 7/6:『熱源』 川越宗一 (文春文庫) 7/7:『椿宿の辺りに』 梨木香歩 (朝日文庫) 7/7:『マジカルグランマ』 柚木麻子 (朝日文庫) 7/1…