tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『光のとこにいてね』一穂ミチ

光のとこにいてね (文春文庫 い 115-1)作者:一穂 ミチ文藝春秋Amazon うらぶれた団地の片隅で出会った小学2年生の結珠と果遠。 正反対の境遇に育ちながら、同じ孤独を抱えるふたりは強く惹かれ合うも、幸せな時間は唐突に終わりを迎える。 8年後、名門女子校…

KOBUKURO LIVE TOUR 2025 "THIS IS MY HOMETOWN" @大阪城ホール (10/16)

*ネタバレ満載のライブレポです。 撮影OKコーナーのひとコマ 今年もコブクロのライブツアー大阪公演に参加してきました。 今回は「THIS IS MY HOMETOWN」というミニアルバムをタイトルに冠したツアーだったのですが、このアルバムがコブクロの大阪がらみの…

『十戒』夕木春央

十戒 (講談社文庫 ゆ 10-4)作者:夕木 春央講談社Amazon 浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。 島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。 島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書…

『3月のライオン (18)』羽海野チカ

3月のライオン 18作者:羽海野 チカ白泉社Amazon 獅子王戦への挑戦権を懸けたトーナメントは、ついに零VS島田戦へ!対局を前に、研究に没頭しすぎていた零… 三日月堂の屋台でおやつを売っていたひなたと、久々の再会をして? 一方、対局の日も普段と変わらな…

2025年10月の注目文庫化情報

10/3:『硝子の塔の殺人』 知念実希人 (実業之日本社文庫) 10/7:『ハンチバック』 市川沙央 (文春文庫) 10/7:『紙の梟 ハーシュソサエティ』 貫井徳郎 (文春文庫) 10/10:『兇人邸の殺人』 今村昌弘 (創元推理文庫) 10/10:『崩壊』 塩田武士 (PHP文芸文庫…

『掬えば手には』瀬尾まいこ

掬えば手には (講談社文庫 せ 13-2)作者:瀬尾 まいこ講談社Amazon 平均的な身長体重。勉強も運動もすべてが普通。 何の取り柄もないぼくはある日、人の心を読める力に気がついた。 おかげで口の悪い店長の下でも難なくアルバイトを続けているけれど、新人の…

『マイクロスパイ・アンサンブル』伊坂幸太郎

マイクロスパイ・アンサンブル (幻冬舎文庫 い 57-2)作者:伊坂幸太郎幻冬舎Amazon 付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、どこにも居場所がないいじめられっ子、いつも謝ってばかりの頼りない上司……。でも、いま見えていることだけが世界の全てじゃない…

『汝、星のごとく』凪良ゆう

汝、星のごとく (講談社文庫 な 101-1)作者:凪良 ゆう講談社Amazon 風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海(あきみ)と母の恋愛に振り回され転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。ときにすれ違い、ぶつか…

『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

成瀬は天下を取りにいく (新潮文庫 み 73-1)作者:宮島未奈新潮社Amazon 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武百貨店に毎日通い、ローカル番組の中継に映る…

『栞と嘘の季節』米澤穂信

栞と噓の季節 (集英社文庫)作者:米澤 穂信集英社Amazon 高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。持ち主を捜す中で、ふたり…

2025年9月の注目文庫化情報

9/3:『光のとこにいてね』 一穂ミチ (文春文庫) 9/11:『アリアドネの声』 井上真偽 (幻冬舎文庫) 9/11:『マーブル館殺人事件 (上)(下)』 アンソニー・ホロヴィッツ / 山田蘭・訳 9/19:『ロング・アフタヌーン』 葉真中顕 (中公文庫) まだまだ暑いですね…

『地図と拳』小川哲

地図と拳 上 (集英社文庫)作者:小川 哲集英社Amazon地図と拳 下 (集英社文庫)作者:小川 哲集英社Amazon 日本からの密偵に通訳として帯同した細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。桃源郷の噂に騙されて移住した孫悟空。地図に描かれ…

『この夏の星を見る』辻村深月

この夏の星を見る 上 (角川文庫)作者:辻村 深月KADOKAWAAmazonこの夏の星を見る 下 (角川文庫)作者:辻村 深月KADOKAWAAmazon 亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみに…

『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』宮部みゆき

青瓜不動 三島屋変調百物語九之続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 洒落た一品をそろえる袋物屋〈三島屋〉の次男坊・富次郎は、いっぷう変わった百物語の聞き手を務めている。「黒白の間」で語られた怪談は、決して外には漏らされない――。初代聞き…

『夏の体温』瀬尾まいこ

夏の体温 (双葉文庫 せ 08-03)作者:瀬尾まいこ双葉社Amazon 夏休み、小学三年生の瑛介は血小板数値の経過観察で一ヶ月以上、入院している。退屈な病院での日々。そんなある日やって来たのが「俺、チビだけど、九歳」と陽気に挨拶する同学年の壮太だった。低…

2025年8月の注目文庫化情報

8/7:『マイクロスパイ・アンサンブル』 伊坂幸太郎 (幻冬舎文庫) 8/8:『伝言』 中脇初枝 (講談社文庫) 8/8:『十戒』 夕木春央 (講談社文庫) 8/8:『掬えば手には』 瀬尾まいこ (講談社文庫) 8/25:『祈りのカルテ 再会のセラピー』 知念実希人 (角川文庫)…

『いけないII』道尾秀介

いけないII (文春文庫 み 38-6)作者:道尾 秀介文藝春秋Amazon 前作をはるかに凌ぐ“どんでん返し”と“伏線回収”。「写真」の真相を見抜いたとき物語は一変する。前作は累計40万部突破!道尾秀介が仕掛ける体験型エンタメの金字塔、再び。 第一章「明神の滝に祈…

『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒

ラブカは静かに弓を持つ (集英社文庫)作者:安壇 美緒集英社Amazon 少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹は、ある日、勤務先の全日本音楽著作権連盟の上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調…

『空をこえて七星のかなた』加納朋子

空をこえて七星のかなた (集英社文庫)作者:加納 朋子集英社Amazon 「南の島へ行くぞ」突然のパパの提案で、石垣島を父娘で旅することに。でも、家族旅行といえばママも一緒だったのだ、去年までは――(「南の十字に会いに行く」)。同級生の過失で、私は右目に…

『君のクイズ』小川哲

君のクイズ (朝日文庫)作者:小川 哲朝日新聞出版Amazon クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際…

『夜の道標』芦沢央

夜の道標 (中公文庫 あ 102-1)作者:芦沢 央中央公論新社Amazon 一九九六年、横浜市内で塾経営者が殺害された。事件発生から二年、被疑者である元教え子の足取りは今もつかめていない――。殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして、父…

2025年7月の注目文庫化情報

7/15:『汝、星のごとく』 凪良ゆう (講談社文庫) 7/29:『らんたん』 柚木麻子 (新潮文庫) 西日本は早くも梅雨が明けて、もう完全に夏です。 涼しい部屋で水分補給しながら、読書で心の栄養も補給していきたいですね。 6月が夏の文庫フェアで豪華ラインナッ…

『ペニー・レイン 東京バンドワゴン』小路幸也

ペニー・レイン 東京バンドワゴン (集英社文庫)作者:小路 幸也集英社Amazon 堀田家の暮らす下町に〈日英テレビ〉のロケ隊がやってくる!? そして迎える、“大引っ越し大会”。そんな慌ただしい日々に飛び込んでくるのは、かつて閉店したお店の謎や、突然の放…

『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子

おいしいごはんが食べられますように (講談社文庫 た 143-1)作者:高瀬 隼子講談社Amazon 「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」 真面目で損する押尾は、か弱くて守られる存在の同僚・芦川が苦手。食に全く興味を持てない二谷は、芦川…

KOBUKURO SPECIAL LIVE 2025 LET'S MEET AT THE LIVE SHOW @大阪城ホール (6/4)

ここ数年は毎年春ごろに行われているコブクロの東阪ライブ、今年は万博があるからか、6月の開催となりました。 アルバムやシングル曲のタイトルを冠したツアーと違って、こういう単発ライブはどういうコンセプトでどんな曲が聴けるのかイメージしづらいので…

『あの子とQ』万城目学

あの子とQ (新潮文庫 ま 48-3)作者:万城目 学新潮社Amazon 人間の血を吸うなんて、ありえない――! 吸血鬼一族・嵐野家のひとり娘でありながら普通の高校生として暮らす弓子だったが、17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない物体に出くわす。その…

2025年6月の注目文庫化情報

6/4:『いけない II』 道尾秀介 (文春文庫) 6/11:『夏の体温』 瀬尾まいこ (双葉文庫) 6/11:『ミステリなカフェ 午後3時の謎解きアンソロジー』 大崎梢ほか (双葉文庫) 6/17:『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』 宮部みゆき (角川文庫) 6/17:『この夏の…

『馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ』辻真先

馬鹿みたいな話!: 昭和36年のミステリ (創元推理文庫)作者:辻 真先東京創元社Amazon 昭和36年、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった大杉日出夫の計らいで、ドラマ脚本を手がけることになった駆け出しミステリ作家の風早勝利。ようやく迎えた本番、…

『マスカレード・ゲーム』東野圭吾

マスカレード・ゲーム (集英社文庫)作者:東野 圭吾集英社Amazon 解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件。 共通点はその殺害方法と、被害者はみな過去に人を死なせた者であることだった。 捜査を進めると、その被害者たちを憎む過去の事件における遺族らが、…

『宙ごはん』町田そのこ

宙ごはん (小学館文庫 ま 27-1)作者:町田 そのこ小学館Amazon 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的…