tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

2023-01-01から1年間の記事一覧

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

52ヘルツのクジラたち (中公文庫 ま 55-1)作者:町田 そのこ中央公論新社Amazon 52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。 自分…

『水を縫う』寺地はるな

水を縫う (集英社文庫)作者:寺地 はるな集英社Amazon 手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている高校一年生の清澄。一方、結婚を控えた姉の水青は、かわいいものや華やかな場が苦手だ。そんな彼女のために、清澄はウェディングドレスを手作りすると宣言する…

2023年7月の注目文庫化情報

7/5:『やさしい共犯、無欲な泥棒』 光原百合 (文春文庫) 7/6:『リボルバー』 原田マハ (幻冬舎文庫) 早くも今年の半分が終わり、本格的な夏に突入です。 読書を楽しむためにも暑さに負けないための体力作りが必要ですね。 さて、今月は光原百合さんの追悼…

『風よ あらしよ』村山由佳

風よ あらしよ 上 (集英社文庫)作者:村山 由佳集英社Amazon風よ あらしよ 下 (集英社文庫)作者:村山 由佳集英社Amazon 明治28年、福岡県今宿に生まれた伊藤野枝は、貧しく不自由な生活から抜け出そうともがいていた。「絶対、このままで終わらん。絶対に……!…

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)作者:辻村 深月講談社Amazon 地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだ…

2023年6月の注目文庫化情報

6/13:『六人の嘘つきな大学生』 浅倉秋成 (角川文庫) 6/13:『この本を盗む者は』 深緑野分 (角川文庫) 6/13:『魂手形 三島屋変調百物語七之続』 宮部みゆき (角川文庫) 6/20:『逆ソクラテス』 伊坂幸太郎 (集英社文庫) 6/26:『ぎょらん』 町田そのこ (…

『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン』小路幸也

グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン (集英社文庫)作者:小路 幸也集英社Amazon 曽孫の研人も高校を卒業し、バンド〈TOKYO BANDWAGON〉の活動に専念するようです。御縁もありまして、アルバムのレコーディングはイギリスで行える幸運に恵…

『クスノキの番人』東野圭吾

クスノキの番人 (実業之日本社文庫)作者:東野 圭吾実業之日本社Amazon 恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。 そこへ弁護士が現れ、依頼人に従うなら釈放すると提案があった。 心当たりは…

『少年と犬』馳星周

少年と犬 (文春文庫)作者:馳 星周文藝春秋Amazon 傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。 2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正…

2023年5月の注目文庫化情報

5/16:『薔薇のなかの蛇』 恩田陸 (講談社文庫) 5/19:『水を縫う』 寺地はるな (集英社文庫) 5/25:『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ (中公文庫) 5/29:『八月の銀の雪』 伊与原新 (新潮文庫) 5/29:『正欲』 朝井リョウ (新潮文庫) 寒くもなく暑くもな…

『蝉かえる』櫻田智也

蝉かえる (創元推理文庫)作者:櫻田智也東京創元社Amazon 全国各地を旅する昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていた──。16年前、災害ボランティ…

『サーチライトと誘蛾灯』櫻田智也

サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)作者:櫻田 智也東京創元社Amazon 昆虫オタクのとぼけた青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。昆虫目当てに各地に現れる飄々(ひようひよう)とした彼はなぜか、昆虫だけでなく不可思議な事件に遭遇…

『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』辻真先

たかが殺人じゃないか: 昭和24年の推理小説 (創元推理文庫)作者:辻 真先東京創元社Amazon 昭和24年、ミステリ作家を目指している風早勝利は、名古屋市内の新制高校3年生になった。学制改革による、たった1年だけの男女共学の高校生活。そんな中、勝利たち…

『お探し物は図書室まで』青山美智子

お探し物は図書室まで (ポプラ文庫 あ 14-1)作者:青山 美智子ポプラ社Amazon 2021年本屋大賞第2位!! 「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」 仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけ…

2023年4月の注目文庫化情報

4/5:『少年と犬』 馳星周 (文春文庫) 4/5:『木になった亜沙』 今村夏子 (文春文庫) 4/7:『クスノキの番人』 東野圭吾 (実業之日本社文庫) 4/20:『風よ あらしよ (上)(下)』 村山由佳 (集英社文庫) 4/20:『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バ…

『傲慢と善良』辻村深月

傲慢と善良 (朝日文庫)作者:辻村 深月朝日新聞出版Amazon 婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。 生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。 2018年本屋大賞『かがみの孤城…

『ドミノin上海』恩田陸

ドミノin上海 (角川文庫)作者:恩田 陸KADOKAWAAmazon 「『蝙蝠』が上海に入った」。豫園からほど近い路地裏の骨董品店に緊張が走った。門外不出のお宝が闇のルートで輸入されたのだ。虎視眈々と狙う店主だが、なぜか問題の品は、人気急騰中のホテルの厨房に…

『雪月花 謎解き私小説』北村薫

雪月花 (新潮文庫 き 17-16)作者:北村 薫新潮社Amazon 〝謎〟を解決する手がかりを求め、本から本へ、物語は無限に広がっていく――。 言葉をめぐり本を旅する、この愛おしくも豊かな時間。 名作にはこんなにも尽きせぬ謎があったとは! ホームズの相棒ワトソ…

KOBUKURO SPECIAL LIVE 2023 KOBUKURO AND THE FAMILY TONE @大阪城ホール (3/8)

最後の挨拶 (撮影許可有) 3月8日に大阪城ホールで行われたコブクロのライブに参加してきました。 今回はツアーとは違い、東阪3公演のみのスペシャルライブでこの日はその最終公演でした。 こういう単発ライブはどんな曲をやるか予想がつかないのがいいですね…

『スワン』呉勝浩

スワン (角川文庫)作者:呉 勝浩KADOKAWAAmazon ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見捨てたことを暴露される。被害者…

2023年3月の注目文庫化情報

3/2:『お探し物は図書室まで』 青山美智子 (ポプラ文庫) 3/17:『スキマワラシ』 恩田陸 (集英社文庫) 3/20:『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』 辻真先 (創元推理文庫) すっかり春めいてきましたね。 年度末で忙しい時期ですが、暖かいと気分も…

『蒼色の大地』薬丸岳

蒼色の大地 (中公文庫 や 76-1)作者:薬丸 岳中央公論新社Amazon 薬丸岳の新境地。 壮大なスケールで贈るエンタメ巨編! 〈螺旋プロジェクト〉明治編。 時は明治。幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人はそれぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に…

『カケラ』湊かなえ

カケラ (集英社文庫)作者:湊 かなえ集英社Amazon 美容外科医の橘久乃は幼馴染みの志保から「痩せたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。少女の死を…

『罪の轍』奥田英朗

罪の轍 (新潮文庫 お 72-3)作者:奥田 英朗新潮社Amazon 昭和三十八年十月、東京浅草で男児誘拐事件が発生。日本は震撼した。警視庁捜査一課の若手刑事、落合昌夫は、近隣に現れた北国訛りの青年が気になって仕方なかった。一刻も早い解決を目指す警察はやが…

2023年2月の注目文庫化情報

2/7:『ひこばえ (上)(下)』 重松清 (朝日文庫) 2/24:『ドミノin上海』 恩田陸 (角川文庫) 寒い日が続きますね。 暖かい部屋での読書がはかどります。 けれども今月の注目文庫は少な目。 1月も少なかったので、興味はあったけれど読みそびれていた本を買っ…

『ここだけのお金の使いかた』アミの会

ここだけのお金の使いかた (中公文庫 あ 98-1)作者:大崎 梢,図子 慧,永嶋 恵美,新津 きよみ,原田 ひ香,福田 和代,松村 比呂美中央公論新社Amazon 給料は安いし、貯金も少ない。ムダなお金は、1円だって払えません! 誰しも余裕のない時代だからこそ、何にい…

『まち』小野寺史宜

まち(祥伝社文庫お25-4) (祥伝社文庫 お 25-4)作者:小野寺史宜祥伝社Amazon 両親を亡くし、尾瀬の荷運び・歩荷を営む祖父に育てられた江藤瞬一は、後を継ぎたいと相談した高三の春、意外にも「東京に出ろ」と諭された。よその世界を知れ。知って、人と交わ…

『死にがいを求めて生きているの』朝井リョウ

死にがいを求めて生きているの (中公文庫 あ 92-2)作者:朝井 リョウ中央公論新社Amazon 植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。 二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは? 毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、…

2023年1月の注目文庫化情報

1/13:『それでも、陽は昇る』 真山仁 (祥伝社文庫) 1/20:『カケラ』 湊かなえ (集英社文庫) 1/24:『僕たちの月曜日』 彩瀬まる・他 (角川文庫) 1/24:『私たちの金曜日』 有川ひろ・他 (角川文庫) 1/30:『雪月花 ―謎解き私小説―』 北村薫 (新潮文庫) 今…

MY BEST BOOKS OF THE YEAR 2022

あけましておめでとうございます。 恒例の読書振り返り、2022年版をお届けします。 2022年に読了した小説は46作品でした。 2021年よりは増えたものの、11月12月に失速してしまって思ったよりは伸びなかったのがちょっと残念。 では、ベスト10の発表です。 順…