tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス @京セラドーム大阪 (5/21)

*曲目・演出等のネタバレありのライブレポです。


ついに、ついにこの日がやってきました。
コロナ禍が始まってからというもの、まったくライブに行くことができない日々が続きました。
前回のライブ参加は2020年1月のスピッツライブだったので、2年4か月ぶり。
ミスチルライブは2019年5月が最後だったので、実に丸3年ぶりです。
今年がミスチルにとってデビュー30周年のメモリアルイヤーであることはわかっていたので、記念のライブができるか気をもんでいましたが、ワクチン接種も進んで行動制限も緩和され、無事にドーム&スタジアムツアーが開催される運びとなりました。
運よくファンクラブ先行でチケットをゲットし、いざひさしぶりのライブへ。
あちこちに手指消毒液 (ミスチルメンバーのイラスト入り容器でかわいかった!) が置いてあるとか、ステージ上のメンバー以外は全員マスク着用で大声を出すのは禁止とか、そういう変化はもちろんあるものの、ライブ自体はまったくコロナ前のいつものライブという感じでした。
ドーム球場を埋める満員の観客に、ずっと人の多い場所を避けてきた身としては多少不安もありましたが、開演してしまえばそんなことはすっかり忘れてライブに集中できました。


「優しい歌」のオーケストラバージョンから幕が上がったライブは、30周年ライブというからには往年のヒット曲のオンパレードになるのかと思いきや、意外とバランスよくアルバム曲も散りばめられていてメリハリの効いたセットリストでした。
ヒットシングル曲としては、「箒星」「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」「Any」「くるみ」「フェイク」「Tomorrow never knows」「GIFT」……どれも大好きな曲ですし、ひさしぶりに聴いた曲も多くてテンションが上がりましたが、終わってみれば「CROSS ROAD」も「innocent world」も「名もなき詩」も「Everything (It's you)」も「終わりなき旅」も「HERO」も「Sign」も「HANABI」もやらなかったぞ、という。
いや、こんなにもたくさんメガヒット曲があるというということがすごくて、全部入れられるわけではないというのは当然なのですが。
何しろ今回は3年ぶりのツアーで、2020年12月にアルバム「SOUNDTRACKS」がリリースされた時に本当はツアーをやるはずだったのができなかった、そのリベンジの意味も込めたツアーだったのだと思います。
1曲目が「SOUNDTRACKS」収録の「Brand new planet」だったり、その後も「Documentary film」「DANCING SHOES」「others」と、ライブができなかった時間を取り戻すかのように選曲されていました。
欲を言えば「The song of praise」も聴きたかったな~などと思ってしまうのはご愛敬。
古いアルバム曲もいくつか演奏されて、「LOVE始めました」なんかはまったくの予想外だったので前奏を聴いて思わず声が出そうになりましたし、個人的には大好きな「Drawing」を聴けたのが感激でした。
アンコール1曲目で桜井さんのソロ弾き語りで「Your Song」をやってくれたのも意外性と新鮮味があってよかったです。
30周年ということでファンへのメッセージも強く伝わってきましたね。
本編最後の「GIFT」ではこれまでのファンへの感謝が、そしてオーラスの「生きろ」ではこれからもファンと共にありたいという未来に向かっての想いがビシバシと伝わってきて、胸がいっぱいになりました。


今回のライブは演出も気合いが入っているのが感じられました。
特に映像が素晴らしかったですね。
ステージの上の巨大な可動式ビジョンに映し出される映像が立体的で迫力満点。
ステージ上のメンバーの様子を映し出すのはもちろん、曲にあわせて大空や銀河、摩天楼などの映像がステージの景色を次々に変えていき圧巻でした。
オープニングで映し出された扉は、ツアータイトルの「半世紀へのエントランス」そのもので、これから何か新しいことが始まるというワクワク感にあふれていました。
だからこそ、声出し禁止 (実際は絶対禁止というほどではなく「控えてください」程度の呼びかけでしたが) はなかなかもどかしかったですね。
本来なら音と映像と光が作り出すステージの華やかな光景に、たびたび歓声が上がっていたはずですから。
それでも、ファンが声を出せない分、いつも以上にメンバーの声が届いたライブだったと思います。
この日の桜井さんの喉は絶好調だったのではないでしょうか。
ロングトーンがとてもきれいに伸びていて、歌声に聴き惚れる場面がたびたびありました。
そして、いつもよりも長めのメンバー紹介で、全員がしっかり自分の言葉と声でメッセージを届けてくれたことが何よりもうれしかったです。
いつもおちゃらけ気味のJENもスタッフや家族や友人、もちろんファンにも、しっかりと感謝の言葉を口にしていました。
きっと誰もが無事に30周年のライブができるか冷や冷やしながらようやくこの日を迎えたことと思いますが、節目の記念ツアーが3年ぶりのツアーになったのは案外よかったのかもしれません。
メンバーも、ファンも、きっとスタッフの人たちも、こんなにライブができる喜びをかみしめたライブはなかったでしょうから。


最後には桜井さんが「また会おう!みんなそれまで元気で頑張って!!」と言ってくれて、明日からもまた頑張ろうと思いながら帰路につきました。
「次に会う時はマスクなしで、みんなの声を聴かせて」とも言っていましたが、こればかりは今後どうなっていくかまだまだわかりません。
けれど、どんなライブになろうと、次回は必ずある。
半世紀へのエントランスはまだ開いたばかりなのだから。
彼らが目指す半世紀という目的地に向かって私も歩んでいく、そのスタート地点となったライブでした。




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