tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『H2 10巻 サンデーコミックスワイド版』あだち充

ドラマ「H2」の比呂のお父さん役は柳沢慎吾ちゃんなんですか…うわ〜、ぴったり(笑)

H2 (10) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

H2 (10) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

見事甲子園初出場を決めた千川高校野球部。
いざ、憧れの甲子園へ。
宿舎は偶然にも(?)英雄のいる明和第一高校と同じ。
広い甲子園で練習をこなしつつも、大阪観光に出かけたりして楽しく過ごす比呂たち。
そして、ついに1回戦。
千川の相手は、「比呂の中学時代にそっくりな」ピッチャー・栗丸を擁する鹿児島県代表豪南実業。
栗丸・比呂ともに一歩も譲らぬ好投を見せ、両者ともにノーヒットノーランのまま試合は延長戦に。
この試合に勝てばひかりの誕生日である8月16日に2回戦、さらにその試合も突破すれば3回戦で明和一高と対戦できるが…?


この巻はなんだかいろいろ読んでて楽しかったです。
比呂・英雄・野田の3人は中学時代からの大親友なので、本当に仲がいいし息がぴったり。
会話も小気味よくてとても面白いです。
この3人+ひかり・春華の5人が大阪観光に繰り出すあたりもすごく面白かった〜。
比呂・野田・ひかりの3人と、英雄と春華の2人という今までなかった組み合わせに分かれてしまうのですが、なんだか全員それなりに楽しそう。
特に英雄&春華。
なんだか妙にいい雰囲気…?
英雄も「楽しかった」と比呂に感想を述べています。
しかも英雄と春華のツーショットを雑誌にスクープされてしまい、比呂は少し面白くない様子です。
さらに、春華をものにしたい木根と、英雄をひかりから奪いたい明和一の野球部マネージャー小山内美歩の思惑が一致し、2人で協力して比呂とひかりをくっつけようと画策し始めました。
この2人、なかなかいいコンビですよね。
似たもの同士というかなんと言うか。
そして、比呂と英雄の名前の由来も判明!
比呂は1月16日生まれというところから「ひ・い・ろ」の語呂合わせから比呂と名づけられ、英雄は11月6日生まれの「ひ・い・ろ」→ヒーロー→英雄と名づけられたのでした。
そうか、比呂は早生まれだったのですね。
しかも今日誕生日じゃん。
おめでとう、比呂!
だったら比呂の成長が遅かったのもそのせいかもしれないですね。
ひかりは8月16日生まれですから、それだけ誕生日に差があれば、まして男と女なら、成長速度に差が出るのは当然だと思います。
あ、ちなみに春華は3月3日生まれだそうで、彼女もずっとチビだったそうな。
そして、英雄はジャイアンツファンで比呂はアンチジャイアンツだということも判明しました。
あだち充先生ご自身がアンチジャイアンツらしいですから(『タッチ』で「くたばれジャイアンツ」と書かれているコマがあったような…)、比呂には作者の好みが投影されているのでしょうね。


さて、この巻の名台詞は英雄のこの言葉を推します。

ボールは、力で飛ばすもんじゃないぜ。
タイミングが合って芯を食えば、体の回転でスタンドに運べるんだ。
スッと力が抜けて、それこそ、空振りしたのかと思うくらいのなんともいえない感じなんだ。

私はもちろん野球はやりませんし、それどころかスポーツ全般ダメなのでよく分かりませんが、やっぱりこのセリフからは英雄の大物ぶりを感じました。
とにかく早く比呂と対戦したくてたまらないらしい英雄。
そういや前の巻で「今年の夏は比呂と甲子園で遊ぶんだ!」なんて言ってましたっけ。
甲子園の組み合わせ抽選会では報道陣のインタビューに対して「3つ勝ちます」(=順調に行けば3回戦で千川と当たる)と比呂に勝利宣言。
比呂も英雄との対戦を心待ちにしているようですが…。