tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『とり残されて』宮部みゆき

とり残されて (文春文庫)

とり残されて (文春文庫)


勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。
そんな折、校内プールに女性の死体が…。
その謎にせまる表題作ほか、夢の「場所」捜しから始まる内面の旅を描いて名作の聞こえ高い「たった一人」など六篇を収録。
巧みな伏線、鮮やかな舞台設定。
清新にして熟達の筆致をおたのしみください。

今年最初の読書は、やっぱり宮部みゆき
未読のままだった短編集『とり残されて』でした。
なぜ未読だったかというと、表紙が怖かったから(笑)
でも、読んでみて後悔。
表紙で判断しないでもっと早く読んでればよかった…。
宮部みゆきといえば『模倣犯』『理由』『クロスファイア』のような長編の評価が高いのですが、実は短編もなかなかなんです。
『とり残されて』はちょっと怖くて、ちょっと悲しくて、ちょっと不思議で、ちょっと切ない短編が揃っていて、どの話も一気に読めました。
重い長編もいいけど、新年の初読みにはこれくらいの長さと題材がちょうどいいのかも。


で、『とり残されて』に感動したので(?)、次に選んだのもまた宮部みゆき
今度は既読なのですが大学時代に図書館で借りて読んだっきり内容を忘れてしまっていた(苦笑)長編『レベル7』を再読しています。
読んでたらちょっとずつ内容を思い出してきたような気もするけど、やっぱり宮部みゆきは何度読んでもいいわぁ。
『レベル7』はしょっぱなから謎を含んだ書き出しで、「謎が明かされていく過程」重視のミステリー読みの私にはうれしい展開vv