tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 3月号

ENGLISH JOURNALは4月号から大幅にリニューアルしました。
よってこの3月号で今までの体裁とはお別れ。
リニューアル直前号のインタビューも、聴き応えのあるものばかりでした。


インタビュー1人目は、投資家であり慈善家でもあるジョージ・ソロスさん。
反ブッシュ陣営の1人でもある彼のブッシュ政権への痛烈な批判は、聴いていて痛快でした。
彼によると、アメリカがもっともその自由と正義を世界に誇ることができたのは、日本を占領統治していた時代だということでした。
なるほどねぇ、今の日本を見る限りでは、アメリカの占領政策は成功だったのでしょうね(日本が平和国家として繁栄したという意味でも、アメリカに忠実な国になったという意味でも)。
ところがイラク政策においてはアメリカはその歴史の中で築き上げてきた自由と正義を自ら裏切ったのだと、ジョージさんは一刀両断しています。
論旨と主張が明確で、非ネイティブスピーカーながらゆっくりしたスピードとはっきりした発音で、とても聞き取りやすい英語でした。


2人目はカナダ出身のシンガーソングライター、ウェンディ・マクニールさん。
彼女の英語も平易で落ち着いた話しぶりで非常に聞き取りやすいものでした。
ウェンディさんはもともとはアコースティックギターを弾いていたのですが、アコーディオンの魅力に取り付かれて現在はアコーディオンの弾き語りをしているという一風変わったアーティストです。
まぁアコーディオンの弾き語りもたまには見るか…横山ホットブラザーズとか??(笑)
アコギにしろアコーディオンにしろ、素朴な音がいいですよね。
打ち込みにはないぬくもりがあるような気がします(打ち込みも嫌いじゃないけどね)。
現在はスウェーデンが活動の中心(恋人がスウェーデン在住だからだそうな)という彼女ですが、日本にも活躍の場を広げて欲しいものです。


最後はアメリカの作家、フィリップ・ロスさん。
ピューリッツァー賞、全米図書賞、全米批評家賞、フランツ・カフカ賞など数々の賞を何度も受賞していて、今もっともノーベル文学賞に近い作家とも言われているそうです。
…でもごめん、読んだことないや(^_^;)
どんな作品があるのか、タイトルすら全然知らなかったのですが、哲学的な話が多いみたいでちょっと私は苦手なタイプの作品を書く人かも…。
今回のインタビューは新作"Everyman"についての話が主だったのですが、ある男性の病気の歴史を小説にすることで人間の生と死や老いについて取り組んだ作品…のようです。
「老い」というのは誰しも逃れられない宿命であるだけに、小説の題材にはしやすいような気がしますね。
インタビューアーの人も触れていましたが、現役を退いた人が老いにどう向き合っていくかというテーマは、団塊世代の大量退職が始まろうとしている今の日本にもぴったりのような気がします。
哲学的な話が多く、高齢のためか発音があまり明瞭ではないので英語の聞き取りとしては少し難しかったですが、なかなか聴き応えのあるインタビューでした。