tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『MIX (13)』あだち充


明青VS健丈(元須見工)、因縁の一戦!
音美のあわや交通事故の難を救った謎の男…その名は原田正平!
30年前にこの街に暮らし伝説を目の当たりにした男は…
明青野球部に一体何を見るのか…
そんな中始まる、明青VS健丈、因縁の一戦!!
先のセンバツのヒーロー、赤井が立ちはだかる!!

夏の全国高校野球は終わってしまいましたが、マンガならいつでも好きな時に高校野球を楽しめるのがよいところです。
表紙も非常に夏らしく (あだちさんの水着女子はいやらしすぎないのがいいですね)、今の時期にぴったりの1冊でした。


さて、12巻で新たに登場した記憶喪失の男、その名は原田正平。
そう、『タッチ』のあの原田くんですね。
高校生の時から老け顔だったせいで、30年後という設定の本作でもあまり見た目が変わっていないのが笑えます。
彼が記憶を完全に取り戻した時、物語が大きく動く……のでしょうか?
とにかく存在感だけはありますが、キーマンになるかどうかはまだよく分かりませんね。
『タッチ』の時と同様、あくまでも脇役に徹するのが原田くんらしい気もします。


そして、13巻後半からは、健丈高校 (『タッチ』の頃は須見工) と明青の練習試合が始まります。
が、エースの投馬は事情により不在。
主人公がいないのでは盛り上がりに欠けるので、この点はちょっと不満ですが、けがをしたとかではないので途中から登板する展開になるのかもしれません。
目下最大のライバル役である赤井くんとの対決をぜひ見たいので、次巻以降に期待ですね。
ただ、因縁のライバル校との試合とはいっても、あくまでも練習試合に過ぎないので、あまりページを割きすぎないでサクサク進めてほしいところですが……。


13巻はあまり大きな動きもなくゆっくりとしたペースで話が進みましたが、その中で喫茶「南風」の現在が描かれたり、回想シーンとして達也をはじめとする『タッチ』の主要登場人物たちが登場したりと、『タッチ』ファンへのサービスが多めの巻でした。
そろそろストーリーも盛り上がっていってほしいですが、あだちさんのことだから当面はまったりペースかなぁ……。
気長に付き合っていきます。


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