tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『おひとり様物語(1)』谷川史子

おひとり様物語(1) (ワイドKC キス)

おひとり様物語(1) (ワイドKC キス)


みんな“おひとり様”
恋物語の名手がオムニバスで贈る、切なくて温かいリアル女子ストーリー。

う〜ん、やっぱり谷川史子さんのマンガはいいな〜。
切なさの中にも前向きさがあって、仕事や恋や結婚にいろんな不安を抱えている女性を励ますような優しさに満ち溢れてる。
登場する女性たちに素直に共感できるし、読み終わると元気になっていますね。


特定のパートナーがいない女性のことを「おひとり様」と世間では呼びますが、この作品ではパートナーがいても遠距離だったり心のすれ違いがあったりして1人でいる時間が長い女性も広義の「おひとり様」に含めています。
いろんな事情を持った「おひとり様」の複雑な胸の内を丁寧に描いていて、共感できる箇所がたくさんありました。

世界で


自分は
たったひとりなのかも
しれないと


だれも
自分のほうを
向いてくれない
自分のことなど
考えてくれないのでは
ないかと


そんな気分になったりする

特にこの部分、本当によく分かる…。
ひとりで外食したり、映画を観たり、ショッピングに行ったり…そういう「おひとり様」経験がどんどん増えてひとりで行動することが平気になってくると、それはそれで楽しいんだけど、本当にこのままでいいのかなぁ…と不安になったりしますね。
特にいろんなことがうまくいかないとき、ついていないときには、「世界で自分はたったひとりなのかもしれない」ってついつい思っちゃったりする。
それでも私は実家暮らしなので家族がいるからそれほど孤独感はないけれど、一人暮らしだったら本当に寂しいだろうなぁ…。
それを想像すると、一人暮らしはちょっと怖いかもって気にもなります。
ま、ひとりの時間が長くても、完全にこの世にひとりきりってわけではないって分かってるからきっと大丈夫なんでしょうけどね。
また、「カップルでもひとりの部分は絶対に必要」というのも確かにそうだなぁと思いました。
パートナーがいればいいってものではなくて、パートナーとの関係を保っていく努力は必要なんだし、時にはひとりに戻る勇気を持つことも大切。
そう考えると、パートナーがいようがいまいが、結局はみんな「おひとり様」。
なんだか気分がすっと楽になりました。

独りじゃないと
知っているから


おひとり様は
どこへだって
ゆけるのだ


女性はもちろん、男性にもぜひ読んでほしい1冊です。




♪本日のタイトル:Dreams Come True 「PROUD OF YOU」より