tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

KOBUKURO STREAMING LIVE @home (10/3)

前回のコブクロライブ参戦は昨年の7月。
ということはもう1年以上経ってるんだなぁ……ということに今さら気づき、ちょっと愕然としています。
まさか世界がこんなふうになってしまうとは、想像もできませんでしたね。
コブクロにとっても今年予定していたツアーが中止になってしまい、予想外の長いお休みになったと思いますが、ついに!ようやく!満を持して!の配信ライブを開催してくれました。
この日のためにHDMIケーブルを買ってきて、ノートパソコンをテレビにつないで大画面で楽しみました。


開演前は最新シングルのCMやタイアップCMが流れていて、おお、いつものライブと同じだ!!とこの時点でもう興奮。
やがて会場内が映し出されて、バンドメンバーとコブクロが登場します。
1曲目は「君という名の翼」。
この曲は本当にオープニング向きというか、あのピアノのイントロが鳴ると必ずテンションが上がるんですよね。
小渕さんも黒田さんも安定した歌声で、ロングトーンがきれいに伸びていて、おっ、これは今日は調子よさそう!と期待が高まる最高の1曲目でした。
続いて「Million Films」。
この季節にぴったりの曲で、ライブでも定番の1曲です。
定番曲が冒頭から2曲続いたところに、いつものライブだ~という安心感をたっぷり感じられました。


観客がいなくてもMCを怠るふたりではありません。
「いつものお客さんいじりができない」と言いつつも、細かいネタでしっかり笑わせてくれます。
拍手の音も絶妙なタイミングで流れて臨場感バッチリ。
歓声まで入っている芸の細かさに感心しきりでした。
バンドメンバー紹介でひとりも欠けることなくおなじみの顔が元気に揃っていることに安堵し、最後のメンバーとして「お客さん」を忘れず紹介してくれたことに感激し。
東京オリンピックが延期になってしまった」という話からの3曲目はソチオリンピックテーマソングの「今、咲き誇る花たちよ」。
これは絶妙な選曲でしたね。
アスリートへの応援歌といいつつ、実際は夢に向かって頑張る全ての人に向けられた曲だと思います。
さらに「流星」「桜」とヒットソング連発で早くも気分の盛り上がりは最高潮に。


盛り上がった場の熱を少し冷ますように歌われた6曲目は、10/14発売のシングルからカップリング曲の「Lullaby」でした。
これを歌うことは予想していなかったので驚きましたが、よく考えたら新曲を惜しみなくライブで披露するのがコブクロスタイルでしたね。
タイトルそのものの優しい子守唄で、小渕さんは「なんならこのまま寝てしまってもいいぐらい」と言っていましたが、いやいやごめんなさい、私は黒田さんの歌声聴いたら目が覚めちゃうから無理だわ。
続いての「陽だまりの道」が、ゆったりと優しい曲調にくわえ、疲れた人をそっと包み込むような歌詞も今の時世にあっている気がして、とても心に染みました。


そしてこのライブ最大の見せどころ、最新シングルの「灯ル祈リ」は、コブクロのふたりがステージから降りて、本来は客席があるはずのスペースをゆったりと使って披露されました。
この曲は、ふたりのハーモニーが存分に堪能できるロックバラード。
テレビ画面越しでも彼らが渾身の歌に乗せた想いが存分に伝わってくることに感動しつつ、この素晴らしい歌を同じ場所で聴きたかったという切なさと悔しさもどうしようもなく溢れ出して、ちょっと泣いてしまいました。
それだけ心を動かす歌を届けてくれたふたりはさすがとしか言いようがありません。


お互いの衣装いじりはコブクロライブでは定番のネタですが、今回は黒田さんがイメチェン (?) していたのでいじりやすかったのでは……。
ハットに薄い色のサングラスという風貌を、小渕さんは「60年代ロック」と表現していましたが、どっちかっていうとどこかの国のマフィアかな (笑)
先日のテレビ番組では口ひげを生やしていて、その時はジョニー・デップ風!?と思ったのですが、ひげを剃ったらマフィアになるとは、結構ギャップがありますね。
小渕さんが黒田さんにしょっちゅうテレビ電話をかけてくるという話も笑いました。
確かに小渕さんテレビ電話とかウェブミーティングとか好きそう、で、黒田さんがそれをうっとうしがるのも、いかにもこのふたりらしいわとうれしくなるエピソードでした。


MCで笑った後の盛り上がりコーナーは「潮騒ドライブ」から。
サビではいつも通りしっかり手を振って、十分盛り上がりました。
続く「轍」も歌わずにはいられず、小声で口ずさんでいたら、見透かしたかのように「一緒に歌おう!」と言ってくれてうれしくなりました。
きっとみんな画面の前で歌っていたし、ひとつになっていくファンの熱気がコブクロにも伝わったよねと思える、かけがえのない瞬間でした。
最後は「神風」で締め。
本当にいつものライブに負けないくらい盛り上がりました!


アンコールはどうなるんだろう?と思っていたら、やがて聴こえてくる「ストリートのテーマ」の合唱。
これまたいつものライブです。
このライブのMVPは (コブクロを除けば) 音響スタッフさんたちかもしれないな、なんて考えながらアンコールを待ちました。
もちろん照明も素晴らしかったけれど。
アンコール曲は「晴々」。
コブクロ結成20周年の記念ソングですが、明るく爽やかなメロディーと前向きな歌詞がライブの締めにもぴったり。
楽しかった〜!!!という気持ちで1時間45分のライブが終了しました。


とにかく、「今だからこそ、いつも通りのライブをやろう」というコブクロとスタッフさんたちの意気込みが全編を通して強く感じられるライブでした。
初めての配信ライブだからといって特別なことはしない、というのはとてもコブクロらしいと思いましたし、世界や時代がどんなに変わってしまっても彼らは変わらずに歌ってくれるという安心感と信頼感に満たされ、コブクロを好きになって本当によかったと心から思いました。
黒田さんが歴代ツアーグッズのLEDライトを順番に使うなど細かいところまで配慮とこだわりが感じられたのもよかったです。


まだしばらくは気の抜けない我慢の日々が続くのかもしれません。
でも、「灯ル祈リ」が伝えてくれたメッセージのとおり、不条理には負けないよ。
みんなが同じ場所に集まって生の音楽を楽しめる日はまた必ず来るし、その時には私もその場にいなくてはならないから。
ーーまたライブで会いましょう!!