tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『世界の中心で、愛をさけぶ』片山恭一・一井かずみ

世界の中心で、愛をさけぶ (フラワーコミックススペシャル)

世界の中心で、愛をさけぶ (フラワーコミックススペシャル)

会社の人に話題作『世界の中心で、愛をさけぶ』(原作・片山恭一)の映画の割引チケットをもらいました。
…だからって訳ではないのですが、コミック版『世界の中心で、愛をさけぶ』(作画・一井かずみ)を読んでみました。


あとがきによると、「漫画の掲載誌の読者層にあわせて原作の設定を少し変えてある」ということでした。
「掲載誌の読者層」はおそらく十代後半〜二十歳程度の女性なのだと思いますが、原作を読んでいない身にとってはどこがどう変えてあるのかはよく分かりません。
だから原作の問題なのか、漫画の方の問題なのか、どちらかは分からないのですが、ちょっと展開が速すぎないかという気がしました。
せっかくいい雰囲気を持っているのに、それに浸る隙も与えずにストーリーが進んでいくのはちょっともったいないと思います。
あと肝心な場面(おそらくここが原作でももっとも泣けるシーンなのだろうと思います)が絵らしい絵が少なくて文字(主人公のモノローグ)ばかりというのも…せっかく漫画を読んでいるんだから絵が見たいのに、これだったら最初から文字で(原作本で)読んだ方がいいと思ってしまいました。


とまぁ、文句ばかり書いてしまいましたが、絵はまぁまぁ。
特にヒロインの笑顔がかわいい。
表紙の優しいタッチのカラーイラストもいい感じです。
ストーリーも、まぁありがちではあるけれどそれなりに感動はするかな(泣きはしなかったけど)。
でも「汚れなき」という言葉がぴったりな純愛ぶりが私は読んでて恥ずかしくて、どうもあまり乗れませんでした…。
そういや、忘れてたけど私って男性作家の恋愛小説とはあまり相性がよくないんだったっけ…。