tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『ダーリンは外国人』小栗左多里


ダーリンは外国人(2)

ダーリンは外国人(2)


国際結婚をした著者が、「現実」をマンガで描くエッセイ。
ランチタイムに心頭滅却、家族への紹介母親当惑の第一声、おふくろの味…など全21レポート掲載。
夫の出身国別にみる「暮らしのコツ」収録。

最近話題のエッセイ漫画、小栗左多里さんの『ダーリンは外国人』『ダーリンは外国人2』が気になって本屋でちょっぴり立ち読み…。
そうしたら面白かったので買ってきました。


国際結婚ってどんな感じ?
おそらく誰もが興味を持つことだと思います。
けれどもこれって、実はとても日本人的な発想。
アメリカのような多民族国家では、出会う人のルーツが異なるのは当たり前のこと。
ちょっと自分と異なる外見の人が歩いていただけで「あ、ガイジン」なんて言ってたら忙しくてしようがありません。
結婚する時も同じです。
同じアメリカ生まれでも、夫はアジア系、妻はヨーロッパ系なんてこともごく普通のこと。
だから「国際結婚」という言葉自体、英語には存在しません。
言う必要がないからです。
誰と結婚しようが、「結婚」は「結婚」だから。


確かに文化の違いは結婚生活に大きな影響を与えるでしょう。
けれども、一番重要なのはやっぱり国籍ではなくその人自身の個性です。
もっと言えば、その人が生まれ育った文化に基づく慣習や思想もその人の個性のうち。
配偶者として相手を愛せるかどうかは、その個性を理解し受け入れられるかどうかにかかっているのです。
育った国や文化が全く一緒でもうまくいかない夫婦もいます。
逆に、全く異なる環境で生まれ育った二人でも、周りがうらやむような幸せな夫婦になれるのです。
この作品を読むと、そのことがよく分かります。
ダーリンは外国人2』で作者は「将来絶対国際結婚します!」という若い読者がいることに触れ、それはちょっと違うのではないかと疑問を示しています。
国際結婚や国際恋愛にあこがれる気持ちは分からないでもありません。
でも、一番大切なのは外国人であることではなくて、相手の人間としての魅力。
好きになった人がたまたま外国人だった。
これが一番自然な形ではないでしょうか。