tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『僕から君へ』羅川真里茂

僕から君へ―羅川真里茂傑作集 (白泉社文庫)

僕から君へ―羅川真里茂傑作集 (白泉社文庫)

羅川真里茂さんの作品は高校生の頃『赤ちゃんと僕』が大好きでした。
あれは泣けましたねぇ。
子どもたちがみんな生き生きとしていて可愛いし。
で、先日bk1スタッフレビューブログで紹介されていた『僕から君へ』に興味を持ったので読んでみました。
そしたらこれがまた泣ける!
「僕から君へ」「東京少年物語」「がんばってや」の中・短編3作が収録されていますが、3作とも泣かせます。
失われた子ども時代、友情、田舎へのノスタルジーたっぷりです。
特に「東京少年物語」が一押し。
東京から母の故郷である田舎へと引っ越してきた中学1年生の少年が、東京を懐かしみ、田舎生活を忌み嫌いながらも、同級生たちや親戚たちとの交流を通して徐々に田舎になじんでいく姿が描かれています。
なんとも言えないノスタルジーと切なさがたまりません。
ストーリーもよいのですが、キャラクターもいいですね。
やっぱり羅川さんの描く子どもはすごく可愛い。
友の死をきっかけに少年時代からの二人の奇妙な友情関係を振り返る「僕から君へ」も、方言がコンプレックスになって言葉を発することを恐れる大学生を描いた「がんばってや」も、男性キャラはかっこよく、女性キャラは元気いっぱいに可愛らしく描かれていて好感が持てます。
ちょっと漫画で感動してみたいな〜という人にぜひオススメの1冊。