tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 6月号

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 06月号 [雑誌]

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 06月号 [雑誌]


6月号のインタビュー1人目は、陸上選手のウサイン・ボルトさん。
子どもの頃の話、北京オリンピックやベルリン世界陸上で出した記録の話、これからのこと、祖国ジャマイカと家族への想いなどについて語っていました。
北京オリンピックの際に話題になった「世紀の欽ちゃん走り」(笑)について、この時はオリンピックで金メダルをとることが目標で、記録は意識していなかったから最後は流して走った、という裏話を披露していたのが印象的でした。
英語は母語ではないのでちょっと拙い感じで、発音も不明瞭な部分が多くて聞き取りにくかったのですが、朴訥な話し方に人柄が表れているような気がしました。
今後は400メートルや走り幅跳びに挑戦したいと言い、まだ自分は伝説にはなっていないと思うと言うボルト選手。
これからの活躍も楽しみです。


2人目はイスラエル映画「戦場でワルツを」の監督、アリ・フォルマンさん。
この映画はフォルマン監督自身がレバノン侵攻で従軍した経験を元に、元兵士たちの証言を記録したドキュメンタリーアニメ映画なのだそうです。
ドキュメンタリーでアニメというのも珍しいですが、アカデミー賞にもノミネートされるなど、ドキュメンタリー映画として非常に高い評価を得たようです。
インタビューはこの映画を作った背景やレバノン侵攻について、とても歯切れのよい分かりやすい英語で話されていました。
中でもレバノンではこの映画は政府によって上映禁止とされたが、どこから入手したのか分からないがあちこちの映画館でけっこう堂々と上映されていたという話が印象に残りました。
国と国との摩擦によって上質な映画が上映できなくなるのはやはり残念なことだと思います。
国家による上映の禁止に負けない市民たちがいるというのは心強いですね。


最後は日本文学研究者で翻訳家のテッド・グーセンさん。
日本文学の英訳短編集を編纂したり、村上春樹さんの作品を翻訳したりしている方で、日本文学の魅力や翻訳の極意についてのインタビューでした。
グーセンさんが今一番注目している日本の作家は川上弘美さんだとのことでした。
もうすぐ川上さんの作品の英訳本が刊行されて、これから欧米で知られることになるだろうということで、『真鶴』や『センセイの鞄』といった作品の魅力を熱く語っていました。
川上さんの作品って読んだことないけど、読みやすいのかな?
ちょっと興味を持ちました。
翻訳については、外国語の堪能さや外国文化の知識よりも、まずは自国語の力が大切という話に共感しました。
分かりやすい言葉でとても聞きやすく、話題も興味のある分野だったので、私にとってはとても聞き応えのあるインタビューでした。