tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ロックロックこんにちは!20th Anniversary Special @大阪城ホール (7/10)

*ネタバレを含みますので各出演アーティストの夏フェスに参加予定の方はご注意くださいませ。

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スピッツ主催のフェス、「ロックロックこんにちは!」に初めて参加しました。
今年は20周年ということで、「R² need U, I need U」 (ニージューと20を掛けてるんですね) というサブタイトルがついています。
なんばハッチ大阪城ホールで2日ずつ、計4日間行われた公演のうち、私が参加したのが最終公演でした。
この日の出演者はキュウソネコカミMONGOL800Mr.Childrenスピッツ
さすが20周年記念だけあって非常に豪華な面子です。
おかげでチケットの競争率は高かったようですが、運よく当選することができて本当にラッキーでした。


今回は20周年だからこそのスペシャルバージョンなのだと思いますが、開演・終演時と舞台転換時に、スクリーンでスピッツ笑福亭鶴瓶さんとの対談ビデオが流されました。
会場に入ってすぐのところに鶴瓶さんからのお花 (上の写真) があって、どういう関係なんだろう?と思っていたら、こういうことだったんですね。
スピッツのこれまでの活動や曲作りの話、鶴瓶さんのラジオや落語会の話、ロックロックの歴史の話などなど、なかなか面白かったです。
スピッツはあまりテレビには出ないので、こんなふうに芸人さんとトークをする映像はかなり貴重ですし、このイベントだけというのはもったいない気がしますが……いつかまたどこかで観る機会があったらいいのにな、と思います。
ちなみに鶴瓶さん、この対談にあたって、スピッツの全曲を聴いて、ノートに感想を書いてきてくださったのだそうです。
初めて一緒に仕事をする相手のことは予習する、というのは仕事ができる人はみなやっていることだとは思いますが、全曲聴いて感想を書くというのはすごいなと、マサムネさんも感嘆していましたが私も感心しました。
ちなみにその感想には、「これぞまさにスピッツ節!」という曲には「節」、「この歌詞ちょっと頭おかしいんちゃうか」という曲には「頭」と書いてあったそうです。
「節」はなんとなく想像がつくけれど、「頭」はどの曲に書いてあったのか、気になるなぁ。


さて、もちろんライブは20周年にふさわしく、最初から最後まで大盛り上がりでした。
トップバッターは大方の予想を覆して、なんとミスチル!!
しかもセットリストは代表曲のオンパレード。
名もなき詩」「Tomorrow never knows」「HANABI」「花」「しるし」「innocent world」などなど。
ほとんどすべての曲でイントロが流れるだけで歓声が湧き起こるその選曲は超メジャーバンドならではで、さすがの貫禄としか言いようがありません。
ほとんどワンマンライブにしか参加していない私にとっては、この超王道セトリは逆に新鮮でした。
ミスチルは10年前の10周年の時にもロックロックに出演したのですが、10年ぶりの出演が楽しみだったようで、桜井さんは「4時間しか眠れなかった」そうです。
スピッツとはインディーズ時代からの付き合いなのでライバル心もあるようで、「かっこいいところ見せたいんです」とも言っていました。
また、桜井さんは3日前に夏風邪をひいて声が出ない状態になり、万が一出演できなかった場合のコメント撮りを考えていたほどだったそうなのですが、
「最後は気力と、神様にお祈りしました。声が出るなら、ゴキブリ3匹食べてもいいです!って」
と、それぐらい出たかったんだということを強調していました。
病み上がりだったということになりますが、それほど歌声の不調は感じられなかったのでさすがはプロというところですが、今年の桜井さんはミスチルウカスカジーBank Bandを掛け持ちしていてけっこうハードスケジュールなので、くれぐれも健康管理には気を付けてほしいと思わずにはいられませんでした。


ミスチルに続く二番手は、反町隆史さんの「POISON」をBGMに登場したキュウソネコカミ
今回の出演者の中ではこのバンドだけ1曲も聴いたことがなかったので、事前にYouTubeなどで予習していきました。
結局あまり曲名は分からず、予習の成果があったのかどうかは謎ですが、思った以上に楽しめたのは私にとって大きな収穫でした。
特にMCが面白かった!
のっけからいきなりの大絶叫。
「この順番考えたん誰や~!!ミスチルさんの後に若手がやったら面白いんちゃうかって考えたんスピッツさんか!やりにくいわ!日本で一番やりにくい順番やわ!!」
いやもう本当にお気の毒なことで……と同情しきり。
ちなみに後でスピッツのマサムネさんが、ミスチルの後に演奏したキュウソを評して「真の意味でのハードロック」と言っていました。
そんなハードな状況でのパフォーマンスとなったキュウソですが、ミスチルの大物感にも負けることなく、しっかり自分たちの世界を作り出していたのがとてもよかったです。
照明をうまく使った演出をしていたり、桜の木に扮してスピッツの「チェリー」を歌ってみたり、「ヤンキーこわい♪」のフレーズが印象的なコール&レスポンスも楽しくて、強く印象に残るステージでした。


そして三番手がモンパチことMONGOL800
モンパチはアルバム「MESSAGE」がヒットした頃によく聴いていました。
その後の活動についてはあまり知らなかったのですが、「MESSAGE」のリリースが2001年ですからまさか15年も経って初めてライブを観ることになるとは思いもしませんでした。
ヒット曲の「あなたへ」「小さな恋のうた」が盛り上がるのは当然ですが、他の曲も沖縄のリズムが身体に馴染みやすくて全体的にとても聴きやすく、「Oh Pretty Woman」 (映画「プリティ・ウーマン」の主題歌) のカバーもあって、非常に満足度の高いセットリストでした。
MCも適度に笑わせてくれましたね。
キュウソのMC内容を受けて、
ミスチルさんの後もやりにくいけど、スピッツさんの前というのもやりにくい」
という切実なボヤキから、中学時代にアルバム「名前をつけてやる」でスピッツを知ったという話、そしてその「名前をつけてやる」に収録されている「恋のうた」を少し歌って、そこから自分たちの曲「小さな恋のうた」につなげる流れはうまいなぁと思いました。
若さと勢いのあるキュウソとは対照的な、大人の落ち着きが感じられる、でもしっかりロックなステージがとても素敵でした。


最後はもちろんこのイベントの主催者であるスピッツです。
実はスピッツのライブは久しぶりだったのですが、マサムネさんの高く透き通った歌声が一気にスピッツの世界へ引き込んでくれました。
相変わらずのゆるめMCやリーダーの大暴れもうれしかったです。
セットリストも「スピカ」や「愛のしるし」「みなと」「ロビンソン」「8823」「僕のギター」などなど好きな曲がいっぱいで、もうすぐ発売のアルバムのタイトルチューン「醒めない」も聴けて、アンコールも含めて全15曲のステージがあっという間に感じられました。
しかも、ミスチルの「虹の彼方へ」のカバーまで聴けたのには本当に感動しました。
マサムネさん自身も言っていましたが、スピッツの曲だと言われても疑わないかもしれないくらいの違和感のなさ。
それを前振りもなくいきなりさらっと演奏してしまうところがなんともスピッツらしいです。
MCではマサムネさんの
「さっき (ミスチルの) 桜井君に会って思ったんだけどさ、桜井君って飽きの来ない顔してるよね。そういうの大事だよね、うらやましいよ」
という言葉が個人的に一番のヒットでした。
インディーズ時代のミスチルのカセットテープを持っているというマサムネさんの自慢話には、会場から羨望のどよめきが上がりました。
こんなふうにミスチルや桜井さんのことをいじれるのは、付き合いの長いスピッツだけじゃないかという気がします。
最後には
「健康には気を付けて、ゴキブリ3匹食べなくて済むように」
なんて言葉も。
お茶目なマサムネさんにほっこり、とてもあたたかい雰囲気で終演となりました。


開演16:30、終演21:30という5時間にわたる長丁場のライブでしたが、全く長いと感じることなく、どのバンドも夢中になって観ているうちにあっという間に終わってしまった気がします。
スピッツミスチルが目当てで参加しましたが、キュウソもモンパチもとてもよかったし、期待以上に楽しいイベントでした。
ワンマンライブもいいけれど、またフェスにも参加したいと思います。
素晴らしい時間をありがとうございました!!