tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 2011年7月号

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2011年 07月号

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2011年 07月号


7月号のインタビュー1組目は、映画「127時間」の主演俳優ジェームズ・フランコさんと監督のダニー・ボイルさん。
この映画、ストーリーがすごいですね。
登山家がロッククライイミング中に谷のすき間に落ちて、右腕を岩に挟まれて身動きが取れなくなってしまうという絶体絶命の状況を描いた作品だそうです。
約90分の映画はほとんどがその岩に挟まれている状況の場面なんだとか。
動きが少なそう…と思うけどどうなんでしょうか、けっこう評判がよいようなので、心理描写などが上手くて意外と見ごたえがあるのかもしれません。
でもずっと同じような場面を演じ続けなければならない俳優としては大変だろうなと思っていたら、やはり準備を徹底的にやって、それでもフラストレーションが溜まったとフランコさんが言われていました。
もちろんカットは数分ずつの撮影なんでしょうけど、つなげて一つの映画にした時に、場面ごとに齟齬があってはいけないわけですから、監督も俳優もスタッフも大変な神経を使う仕事だっただろうなぁと思います。
撮影の苦労がよく伝わってくるインタビューでした。


2人目はロンドンの大学院生、トム・エリスさん。
この人は特に著名人というわけではないのですが、非配偶者間人工授精によって生まれた人なのです。
21歳の時に突然母親から人工授精の事実を打ち明けられ、大変なショックを受けたエリスさん。
自分の出生の秘密を知った後母親との関係は悪化した、父親(だと思っていた人)のことはもう「Dad」とは呼んでいない、子どもがショックを受けることを想像できなかった母親は身勝手だ…などなど、人工授精で生まれた当事者からの言葉はひとつひとつがとても重く、いろいろと考えさせられました。
不妊カップルの気持ちは察するが、不妊を解決する手段として非配偶者間人工授精を容認することはできないというエリスさん。
私は今まで、いろんな選択肢があってよいのだから非配偶者間人工授精も子どもを作る手段のひとつとして認めてよいのではないかと思ってきました。
でも、実際に人工授精で生まれた当人のこうした言葉を聞くと、やっぱり間違ったことなのかもしれない…と気持ちが揺らぎました。
賛否両論でさまざまな意見がある問題ですし、そう簡単に答えが出るものではないですが、こうして貴重な当事者からの声を聞けたのはとてもよかったと思います。


最後は日本ではおなじみのアクション俳優、ケイン・コスギさん。
肉体派のイメージとは違い、話し方がとても穏やかで優しい感じだったことに驚きました。
英語のネイティブスピーカーですが、アジア人らしい柔らかい発音とイントネーションで親しみが持てました。
インタビュー内容は経歴から最近の仕事まで幅広く、特に武術についての話が面白かったです。
武術を始めたきっかけは、普通の赤ちゃんがはいはいを始める時期に、コスギさんははいはいを飛ばしていきなり歩き始めたため、お父さん(ショーン・コスギさん)が「この子は脚が強いから武道をやるべきだ」と考えたからなんだとか…。
なんだかすごい話ですね。
それからさまざまな武術を経験したコスギさんですが、ブレイクダンスにも取り組んでいるそうです。
それはアクション俳優として、他の人とは違うアクションができるようになるためなんだそうです。
さすがのプロ意識だなぁと感心しました。
今は国際的な映画プロジェクトに取り組んでいるというコスギさん。
これからも国際派アクション俳優として活躍してほしいです。