- 作者: 本多孝好
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 文庫
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繊細な視線で描かれた物語が、心の奥底に潜むミステリアスな風景を呼び覚ます…。
小説推理新人賞受賞作「眠りの海」ほか「祈灯」「蝉の証」など、4作品を収録した処女短編集。
最近、「ミステリ」という言葉でくくってしまっていいものかと悩んでしまう「ミステリ」作品が多いような気がします。
本多孝好さんの短編集『MISSING』もそんな作品でした。
2000年の「このミステリーがすごい!」の10位にランクインしているので、「ミステリー」として認識されているようですが、実際読んでみて、ミステリーという感じはほとんどしませんでした。
確かに『眠りの海』は若干の謎解き部分があるにはあるのですが、他の作品はというと…。
『さみしさの周波数』の乙一さんなんかと同じような切ない系ですが、ちょっと後味の悪い話が多いのが残念。
「死」を描いてても文体のせいかちょっと軽い感じがしました。
もっと深いところまで踏み込んで書いて欲しかったような…。
どっちかというとミステリーよりは恋愛小説のほうが向いてるんでは?と思われる作風でしたので、次は恋愛ものを読んでみたいと思います。