tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 8月号

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 08月号 [雑誌]

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 08月号 [雑誌]


8月号のインタビュー1人目は、表紙の写真から分かるように、「キング・オブ・ポップ」ことマイケル・ジャクソンさん!
亡くなってからもう1年経ったんですね…。
今回のインタビューは以前の来日時の貴重なインタビュー音源と、子どもたちのためのチャリティー団体についてのスピーチの2部に分かれたものでした。
全体を通して感じたのは、とても繊細な感じのする人だなということ。
話し方も穏やかで、アメリカ英語とは思えないほどアクセントも弱く、あのダンスのイメージとはかなり違う感じでした。
話が美容整形手術など微妙な話題に及ぶと、すかさずマネージャーが割って入っているところも、繊細なマイケルを守ろうという思いの表れなのだろうと思います。
それでも音楽の話になると楽しそうに話していましたし、スピーチでは子どもたちを暴力から守る重要性をしっかりと訴えていて、心に響くものがありました。
マスコミに追い回され、あることないことゴシップを撒き散らされ、黒人であるが故の苦しみもたくさんあったでしょうが、世界中の多くの人たちを魅了した数々の音楽とダンスを生み出し、慈善活動に身を投じた功績は計り知れないものだったと思います。
まだまだやりたいこともあったでしょうに、残念でなりません。


2人目はフルート奏者のポーラ・ロビソンさん。
マイケルさんのインタビューとは打って変わって、バッハやモーツァルトなどのクラシック音楽について、そしてアーティストのあり方についてのインタビューでした。
一番印象に残った話は、アーティストとして完璧であるためには、女性は家庭を持つべきではないという話でした。
ロビソンさん自身は結婚していて子どもも1人いるということでしたが、本当の夢は大家族を持つことで、それは実現できていないと少し残念そうに話されていました。
音楽を極めようと思うと、楽器を実際に演奏する時間はもちろん、楽器を手入れする時間も、音楽理論を学ぶ時間も、他のたくさんの音楽を鑑賞する時間も必要なのでしょうね。
確かにそのような仕事と大家族の母という役割とは両立し得ないものかもしれないと思いました。
男性の協力を得るにしても、母親にしかできないこともいろいろありますよね。
ちょっと寂しい気もしますが…。


最後はジョン・V・ルース駐日米国大使。
先日アメリカの大使としては初めて広島の原爆祈念式典に参列して話題になりましたね。
このインタビューでも、日本に来て一番印象に残っていることはという質問に対して「広島を訪問したこと」(大使に着任してすぐに一度家族と共に広島を訪問されたそうです)と答えておられます。
大使としての立場上、原爆投下について何かをコメントすることは、アメリカ国内の世論を考えるとまだ難しいのだろうとは思いますが、被爆地を実際に訪れたこともきっと今後への大きな一歩になるのだと信じたいです。
その他には、アメリカに留学する日本人が減少していることについての話が印象に残りました。
アメリカ側だけでなく、日本側のさまざまな団体にも働きかけて、留学生の減少を食い止める努力をしているとのことでした。
アメリカだけではなく留学する日本人自体が減っているので、アメリカの大学を売り込むだけでは解決できない問題のような気がしますが、日米の友好な関係のためにも留学生減少はどこかで食い止めなければならないと思います。