tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 4月号

ENGLISH JOURNAL ( イングリッシュジャーナル ) 2010年 04月号 [雑誌]

ENGLISH JOURNAL ( イングリッシュジャーナル ) 2010年 04月号 [雑誌]


4月号は一部リニューアルして特集もボリュームたっぷり♪
付録もついていつもよりちょっとお得な1冊です。
春は語学関係の本が売れると言いますからねぇ(夏以降も学習熱が続けばいいですが…)。


そんな4月号のインタビュー1組目は、若田光一さん&NASAの宇宙飛行士の皆さん。
ISSに滞在したメンバーの貴重な体験談が聴ける上、ボーナストラックとして人類初の月面着陸時の交信音声が収録されてこれまたお得なインタビューでした。
ちょうど山崎直子さんの宇宙出発前という時期にタイムリーなインタビューが聴けてよかったと思います。
若田さんの流暢な英語には聞き惚れてしまいました。
非ネイティブであることは分かる英語ですが、変な癖がなくて、同じ非ネイティブとしてお手本にしたい英語だと思いました。
また、NASAの宇宙飛行士の一人が「宇宙から地球を見ていると、この星を守らなければという思いを持つようになった」と言われていたのが印象に残りました。
最近ツイッターを始めて、野口聡一さんの宇宙からのつぶやきを楽しみにしているのですが、宇宙から撮られた写真を見るとなんだか癒されます。
職場の人間関係とか、自分自身のいろんな悩みだとかがとても小さなものに感じられて、どうでもいい気分になってくるんですよね。
そういう小さなことに気をとられることが馬鹿馬鹿しくなってくると言うか…。
宇宙から送られてくる画像を見ているだけでそんな気分になるのだから、実際に宇宙から地球を見たら大きく広い心を持てるようになるんじゃないかという気がします。
それにしても宇宙からの写真や映像をリアルタイムで手軽に見ることができるようになるなんて、いい時代になりましたねぇ。


インタビュー2人目はイルカ保護活動家のリック・オバリーさん。
アカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」はオバリーさんの活動を取り上げたものです。
これまた非常にタイムリーなインタビューで、とても興味深く聴きました。
水族館に忍び込んでこっそりイルカを逃がしたりするようなこともやっているオバリーさんの活動の全てを肯定することは到底できないけれど、彼の主張には一理ある部分もたくさんあると感じました。
例えばイルカ肉が水銀に汚染されているというオバリーさんの主張に対して、日本側は具体的なデータを示しての反論はしていないんですよね。
オバリーさんが「きちんと検査をして、水銀汚染されていないということを証明してくれれば私は引き下がるのに」と言うのは理解できます。
水銀汚染に限らず、イルカ漁にしろクジラ漁にしろ、日本はデータに基づいた論理的な反論を欧米に対してできていないのではないかという気がします。
愛犬家に対して「犬を食べて何が悪い」と言ったところで永遠に理解し合うことは不可能なのと同じように、イルカやクジラを高等動物とみなす欧米人を「食文化だから」という理由だけで納得させることが不可能なのは当然のこと。
日本には調査捕鯨で得たデータがいろいろあるはず(そのデータが日本国民にすらまともに開示されていないのはなぜ?)なのだから、そのデータがいかに有用か、そして調査捕鯨やイルカ漁が種の絶滅に繋がらないのだとすればその理由をきちんと説明すればいいのに。
それをしないのはどこかやましい部分があるから(利権が絡んでるとか…)ではないのかと、日本人の私でも疑心暗鬼になってしまいます。
どこぞのエコテロリストのやってることは言語道断だけれど、日本ももっと自らの正当性を論理的に主張しなくちゃね。


最後は米日財団理事長のジョージ・R・パッカードさん。
1960年代前半の駐日大使、ライシャワー氏の特別補佐官を務めた人で、ライシャワー氏の考え方や駐日大使時代の裏話をいろいろと語っていました。
当時はアメリカ国民の過半数がソ連(当時)よりも日本の方が危険な存在であると考えていた時代。
そんな時代にあってライシャワー氏は日本に民主主義が根付くことを信じていたそうです。
去年の政権交代をライシャワー氏が見たら喜んだだろうと話されていました。
う〜ん、民主主義が根付くには時間が掛かったね…(-_-;)
親日家で日本のことをよく理解していたライシャワー氏ですが、一つだけ残念がっていたことは、日本人の英語力の低さだったそうです。
今、韓国や中国が高い英語力を持つ人材を続々とワシントンに送り込んで影響力を増していっている状況を見ると、ライシャワー氏の懸念は正しかったとパッカードさんは話されていました。
う〜ん、これも反論できませんね…。
クジラ漁とかイルカ漁とかで日本ばっかり責められているのも、「どうせ日本人はまともに英語で反論もできないだろう」と馬鹿にされているからじゃないか…と思うのはさすがに被害妄想が過ぎますかね(^_^;)
これからの時代、英語教育の重要性がますます高まるのだろうなぁと考えさせられたインタビューでした。