tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

「アヒルと鴨のコインロッカー」


大学入学のために仙台へ引っ越してきた椎名。新居の片づけをしていると、同じアパートの河崎と名乗る男が声をかけてきた。口ずさんでいたボブ・ディランの曲に興味を持ったらしい。しかし、彼は初対面の椎名に、同じアパートに住むブータン人のドルジという青年に広辞苑を盗んでプレゼントしたいから「本屋を襲わないか?」と誘う。ドルジは河崎の元彼女の琴美と付き合っていたらしい。また買うのではなく盗むのが大切だと奇妙なことを言う河崎。椎名は逃げ腰だったが河崎の巧みな話術にのり、気づいたら本屋襲撃に加担していた!

伊坂幸太郎さんの同名小説の映画化作品です。
この作品は何か語るとすぐネタバレになっちゃいそうだから、感想も手短に…(^_^;)


原作を読んでからもうだいぶ経つので、いい具合に内容を忘れていて、映画を見ながら少しずつストーリーを思い出していったという感じでした。
いやぁ、あの原作をうまく映像化したなぁと感心です。
しっかりと伏線が映像の中に含まれていて、後半の真相明かしに入ってから「そうか、あの場面にはこういう意味があったのか…」と気付くこともたくさんあります。
俳優さんたちもきっちり伏線を理解した演技ができていますね。
特に瑛太さん。
主人公・椎名役の濱田岳さんは伏線にはあまり関係ないけれど、ボーっとしたちょっと頼りなさげな大学1年生を好演していて、瑛太さんの存在感にも霞むことなくいい味出してます。


ラストは不覚にもちょっと泣けてしまった(^_^;)
ボブ・ディランの「風に吹かれて」が全編を通して流れていて、すごくいい雰囲気を醸し出しています。
オール仙台ロケということで、地方都市のゆったりした空気感もいいですね。
原作を読んだ人も、読んでいない人も楽しめる映画だと思います。
おすすめ。




♪本日のタイトル:Bob Dylan 「Blowin' in the Wind」より