tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

「ダ・ヴィンチ・コード」


ルーブル美術館で殺された館長の周りに残された不可解な暗号。容疑者として現場に連れてこられたラングドンは、館長の孫娘で暗号解読者のソフィーに助け出される。ファーシュ警部をはじめとするフランス司法警察に追跡されながら、暗号の謎を解き始めるふたり。そこには歴史を覆す驚愕の真実が!

結局映画館で見そびれていた映画を今ようやくレンタルDVDで見ました。
映画公開当時はかなり悪い評判も聞いたしどうかな〜と思っていましたが、まぁそこまでこき下ろすほどのひどい作品でもないかな、と思いました。
雰囲気作りとか悪くないし、アクションシーンもなかなかの迫力。
映像化しにくいだろうなぁと思っていた暗号解読のシーンも、CGを駆使してビジュアル的に分かりやすく工夫がされていました。
トム・ハンクスには学者役はあまり似合っていないような気がしたけれど、オドレイ・トトゥは「アメリ」の時のキュートさとは違って凛々しくてかっこいいし(フランス語訛りの英語もなかなか素敵でした)、ジャン・レノはやっぱり渋くてかっこいい。


ただこれ、やっぱり原作を読んでいないとかなり厳しいんじゃないかな。
キリスト教やイエス・キリストの謎について、かなり細かいところまで突っ込んで、具体例をたくさん挙げて解説していた原作と比べ、映画は明らかに説明不足。
オプス・デイが一体どういう組織だったのか、ソフィーが目撃した「秘密の儀式」とは一体なんだったのか、キリスト教文化における女性の位置づけなど、この映画だけでは理解することは不可能だと思いますが…。
キリスト教団体からの抗議を恐れてあまり踏み込んで描写できなかったのかなぁ(でもそれでも実際抗議は殺到してたんですよね?)
どうにも全体的にあっさりした印象でしたね。
最後、ラングドンとソフィーの別れのシーンがあっさりしてたのは、原作よりよかったと思いますが。
あの密度の濃い原作を2時間半ほどの長さにまとめたのはいいのですが、もう少し丁寧に説明できなかったのかなぁと思いました。