tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

「ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女」

先日鑑賞券が当たったので今日観てきました。
ナルニア国物語」といえば児童向けファンタジーの名作というのは知っていましたが、実は原作本を読んだことはありません。
だからかもしれませんが、すんなりと物語の世界に入り込めました。
原作のファンの方は、もしかしたらイメージと違ったりするところもあったのかもしれませんが、この点は予備知識がなくてラッキーだったのかも。
子ども向けだし、ファンタジーだし、製作会社はディズニーだしで、もっと気楽なエンターテイメント作品かと思っていたら、予想に反してかなり重厚なお話なのでびっくりしてしまいました。
第二次世界大戦下、ドイツ軍からの空襲が激しくなったロンドンから郊外へ疎開する4人のきょうだい。
疎開先の屋敷の空き部屋に置かれた衣装ダンスの扉は、100年にもわたる長い長い冬に苦しんでいる国、ナルニアに通じていた…。
4人のきょうだいたちは、ナルニアの住民たちに「英雄」として迎えられ、アスラン王と共に「白い魔女」と戦うよう求められます。
けれども、戦争の恐怖と愚かさを身を持って知っているきょうだいたちは、最初戦うことを拒否します。
まぁいろんな出来事があって結局は戦いに赴くことを決意するわけですが…現実の戦争とナルニア国での戦いを重ね合わせるのはいいけれど、できればきょうだいたちの「戦い」に対する葛藤はもう少し深く突っ込んで描いて欲しかったかな。
この作品ではきょうだいたちの成長も見どころの一つだと思うのですが、戦いを決意するまでの過程がもっとうまく描かれていれば、成長物語としてもっと見応えのあるものになったはずだから。
その点以外はおおむね不満もなく、楽しめました。
きょうだいの末っ子、ルーシーがかわいいです。
役者さん何歳だろう?
子どもとは思えない立派な演技でしたけど…。
ライオンのアスラン王はかっこいい。
というかライオンが王様で、その下に他の動物たちや不思議な生物たちがいて悪に立ち向かうという構図はディズニーらしさが出ているなぁと思いました。
ディズニーらしいと言えば、CGや音楽のレベルが高いのはさすが。
ラストの戦いのシーンなんか圧巻ですもの。
CGデザイナーさんは大変だっただろうな〜と、思わず苦労を讃えたくなってしまいました(笑)
ちょっと「ロード・オブ・ザ・リング」を意識しすぎな感はありましたが(ロケ地も同じニュージーランドだし)、ファンタジー好き・ディズニー映画好きなら観ておいて損のない映画だと思います。


余談ですがエンドロールで"Coffee provided by ..."というクレジットがあったのにはちょっと笑ってしまいました。
劇中で登場したコーヒーの提供元!?
大して重要なシーンに出てきたわけでもないのに、そんなのクレジットしなきゃならないの??
それともまさか映画の撮影中にスタッフたちが飲んでいたコーヒーのメーカー…ってわけじゃないでしょうねぇ。
謎だ…(^_^;)
(追記)
あんまり気になったので上記のクレジットの件、検索してみたところ、アメリカのあるアニメーターのブログで以下のような文章を見つけました。

For example, I know that caffeine is important in the making of any piece of art. It’s just plain ridiculous though when “Coffee Provided By.........” is listed about 45 seconds before the Animators in The Chronicles of Narnia.


(試訳)
例えば、芸術作品の制作においてカフェインが重要なのは分かってるけど、「ナルニア国物語」(のエンドロール)で、アニメーターよりも約45秒も前に“Coffee Provided By.........”が出てくるのは明らかに馬鹿げている。


Rick Blankenship

この人はアニメーターの地位が低すぎることを嘆いているのです…って状況説明はどうでもよくって!!
つまり、「映画の撮影中にスタッフたちが飲んでいたコーヒーのメーカー」が正解ってこと!?
コーヒーも映画制作に貢献したスタッフの一員ってわけですか…。
いかにもアメリカっぽくて面白いですね。