- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/11
- メディア: 文庫
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失踪を続けていた聡志は笙一郎の前に現れ、事件の真相と姉への思いを語り出すが、再度警察から逃走を図り交通事故に遭う。
病院で聡志に会った優希は長年抱えてきた秘密を告白し始めるが……。
昨日今日で一気に4・5巻を読んでしまいました。
ずっと泣きながら。
今日は泣きすぎて目が痛いです(笑)
油断すると今もまだ涙があふれてきそうです。
この4巻の最後のほうでの、梁平が養父母と共に横浜観光をし、ホテルの部屋やレストランやバーで彼らと話し合うくだりは泣けて泣けて仕方がありませんでした。
どちらも相手に対して遠慮をしすぎ。
梁平は本当は誰かに思いっきり甘えたいだろうに、それが出来ない。
一方養父母の方も、親の愛情に恵まれなかった梁平に対して気を遣いすぎて、本来彼らが持っている梁平への愛情を梁平にぶつけ切れていない。
恋愛における男女のすれ違いも悲しく切ないですが、親子のすれ違いはそれとは比べ物にならないほど悲しいと思いました。
本当は親子の絆って、誰も立ち入れないほど強いもののはずなのにね。
お互いにお互いを必要とし、愛し愛されたいと願っているのは確かなはずなのに、でもそれが上手くいかない親子がいる…。
これは梁平だけでなく、優希や笙一郎もおなじで、彼らは実の親から肉体的にも精神的にも虐待され、見捨てられたにもかかわらず、それでもなお親に受け入れられ、愛され、そして自分も親を愛し守りたいと願っている。
きっと虐待を受けている子どものほとんどがそうなのでしょうね。
だから子どもは別の大人に虐待について聞かれても、親をかばって口を閉ざしたり、嘘をついたりする。
その結果、虐待の発見が遅れてしまう。
この悲しい事実を、どこかでなんとかしなくちゃいけない。
もちろん、他人の家庭のことに教師や警察や地域の人間がどこまで踏み込んでよいのかという難題が立ちはだかっているのですけど…。
今日はまだ読み終わったばかりで感情が高ぶっているので、明日落ち着いてから5巻と全体の感想を書きたいと思います。