tontonの終わりなき旅

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KOBUKURO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2019 "ATB" @京セラドーム大阪 (7/21)

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3月に開幕したコブクロ結成20周年ツアーも、ついに終幕を迎えました。
今年もファイナル公演 (まだ海外公演が3公演あるのですが、一応国内はファイナルということで……) に参加してきましたので、セットリストに沿ってレポートしてみたいと思います。
京セラドーム2日目のセットリストを基本にしていますが、私が参加した3月の長野2日目と5月の大阪城ホール2日目の公演内容にも少し触れています。


今回のツアーはオープニングから新鮮でした。
ビジョンに映される映像で始まるのはいつもと同じですが、その映像が砂で描かれるサンドアートというのが、CGや実写映像とは違うあたたかみがあってとてもよかったです。
ふたりの人物の手によってどんどん姿を変えていく絵に、釘付けになりました。
しかもそれが、会場の別の場所でリアルタイムで実演されているライブ中継映像だと最初のMCで明かされた時には本当に驚きました。
歌や演奏が生なのは当然として、演出映像まで生というのは珍しいですね。
それに、「蕾」のMVの影絵なんかもそうですが、コブクロの楽曲には俳優さんが出演するドラマのようなものよりも、こういった素朴なアート色の強いもののほうが圧倒的に似合っていると思います。
そんな見ごたえあるサンドアートで描き出されたのは、コブクロのふたりの出会い、そして1本の桜の木。


M01:桜
M02:DOOR
M03:遠回り (長野2日目:朝顔、城ホ2日目:2人)
M04:Bye Bye oh! Dear My Lover (長野2日目:Bell)
M05:太陽
M06:YELL ~エール~


1曲目から3曲目まではコブクロの2人だけ、ギター1本のストリートスタイルで。
1曲目が「桜」というのは予想できていましたが、次にまさか「DOOR」が来るとは思いませんでした。
「DOOR」はもともと大好きな曲で、前奏のドラムやサビ前のストリングスなど、バンドバージョンの各楽器の演奏も好きなのですが、ギター1本バージョンも大好きになりました。
バンドバージョンよりは優しく歌われる感じで、でも元のメロディーや歌詞の力強さもちゃんと感じられて、ちょっと大人っぽい落ち着きを感じさせるアレンジでしたね。
日常的に聴きたいので音源化して次のアルバムに入れてほしいところです。
3、4曲目は日替わりコーナーですが、4曲目でパーカッション (カホン) が加わる辺りで今回のセットリストの意図が分かり始めます。
予想通り、5曲目でサポートギターが登場、6曲目のメジャーデビュー曲でフルバンドメンバーが勢ぞろい。
そう、2人きりで歌っていた路上時代から、だんだんサポートミュージシャンが増えていって、華々しくメジャーデビューという、コブクロ初期の歴史をたどっていたのでした。
そういう演出もよかったけれど、ベストアルバムツアーなのに結構マイナーなインディーズ時代の曲をやるところも、コブクロらしくてよかったと思います。


M07:赤い糸
M08:未来 (長野2日目:蒼く 優しく、城ホ2日目:流星)
M09:あの太陽が、この世界を照らし続けるように。 (長野2日目&城ホ2日目:ここにしか咲かない花)


MCを挟んで、じっくり聴くパート。
「赤い糸」は初参加した2007年のツアーで聴いて以来、なかなかライブで聴く機会がなかったので、うれしい1曲でした。
8曲目と9曲目はまた日替わりですね。
8曲目は参加した3公演とも違う曲でしたがどれもとてもよかったです。
9曲目は京セラの前に参加した2公演がどちらも「ここにしか咲かない花」だったので、この日も「ここ花」が来ると思い込んでいました。
なので、イントロで仰天。
あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」は、なんというか、フラットには聴けない曲ですね。
込められているものが多すぎる。
東日本大震災のすぐ後に発表された曲であり、コブクロが活動休止する直前のツアーのタイトルチューンでもあり……。
ライブで聴いた回数自体は決して多くはないけれど、聴くたびに凄みを増していっているように思います。
「命」や「生きること」をテーマにした歌詞、壮大なメロディー、黒田さんの魂の叫びのような歌。
この曲の持つパワーに圧倒されて、飲み込まれて流されそうになる。
コブクロが全身全霊で歌って演奏しているのはもちろんのこと、聴くほうも全身全霊で受け止めなくてはならない曲、という感じがします。
鳴りやまない盛大な拍手とスタンディングオベーションの後のMCで、小渕さんが「この曲は世界でただひとり、黒田俊介にしか歌えない」と言っていましたが、でもそれはこの曲だけに限らず、コブクロの曲は大半がそうなんじゃないかな、とも思ったり。
小渕さんが描く歌詞の世界観やそこに込められた想いや感情を誰よりも理解して、歌で表現できる人は黒田さんだけだと思うのです。
この小渕さんのMCを受けて、「でもお前は (楽曲提供した) Ms.OOJAさんにも石川さゆりさんにも夏川りみさんにも『この歌声に惚れました』とか言ってた」とジェラシー混じりに拗ねてみせる黒田さんが、京セラドームを埋める45,000人を歌で圧倒したばかりの人とは別人のようでかわいいのなんのって (これが「ギャップ萌え」ってやつ!?)。
なお、念のために付け加えておくと、「ここにしか咲かない花」も圧巻でした。
特に大阪城ホール2日目は今まで聴いた中でベストの「ここ花」だと思いました。


M10:宝島
M11:轍 -わだち-
M12:tOKi meki
M13:Moon Light Party
M14:神風


盛り上がりコーナーはわりと定番曲を並べた感じですね。
「宝島」がちょっと珍しいでしょうか。
「Moon Light Party」ではコール&レスポンスが入るのですが、ここで時々ヘンなことを言い出すのが小渕さん流 (笑)。
今回は「京セラドームのチケットの応募数はスリーデイズでも足りないくらいだった」というちょっとびっくりな情報を盛り込んできました。
いや、さすが20周年ツアーだなぁというめでたい話であり、コブクロ的にもビッグニュースだったのかもしれませんが、それをなぜコール&レスポンスで発表……?
まあ盛り上がったのでよかったのかな。


M15:時の足音
M16:蕾
M17:風をみつめて


盛り上がった後は一旦落ち着いて、再びじっくり聴くコーナーへ。
「時の足音」は城ホール2日目の曲説に泣かされました。
「短い針が止まれば 長い針も止まる」という、その後の活動休止を予言していたかのような歌詞があるため、しばらくこの曲は聴けなかったし、活動再開後ももうこの曲は歌えないかもしれないと思っていた時期があった、と小渕さん。
今こうして20周年ツアーのステージで歌えていることがとても幸せだと語ってくれて、こちらこそまた聴けて幸せ、という思いで胸がいっぱいになりました。
しかしこの曲、実は日替わりで、歌われなかった日もあったらしいと知ってびっくり。
このツアーには欠かせない1曲だと思ったのですが……。
「蕾」はコブクロのふたりにとって本当に大切で特別な曲だというのが、聴くたびに伝わってきます。
もはや風格さえ漂う、紛れもないコブクロ最大のヒット曲であり代表曲ですね。
最新シングル曲の「風をみつめて」は、CDで聴いていたときよりもライブで聴いたときのほうが歌詞が刺さりました。
ここまでのセットリストを経てから聴く、「踏み潰されて枯れるような 半端な決意じゃここには咲けない」という歌詞の説得力といったら。
20周年記念の曲はこの後に歌われる「晴々」なのですが、「風をみつめて」も20周年の節目にふさわしい曲だと思います。


M18:20180908
M19:晴々


18曲目は結成20周年の日付をそのままタイトルにした短い曲で、もとはと言えば昨年の宮崎での20周年ライブのオープニング曲だったそうです。
私は宮崎ライブには参加しなかったので、このツアーで初めて聴きましたが、短いながらとても印象に残る1曲でした。
最後の歌詞「宮崎の空に包まれて」はライブ会場の場所に合わせて「長野の空」「大阪の空」と歌詞替えで歌われていました。
本編ラストは「晴々」。
長野では音源に忠実に歌われていましたが、大阪城ホールではラストのコーラスに小渕さんが「桜」などほかの曲の一節を乗せるという演出が加わっていました。
京セラファイナルではその部分が、「桜」永遠にともに」からの、「Welcome to the tour "5296"」(心待ちにしていた~♪) という、本編の最後の最後にとんでもないサプライズ!
2008年の5296ツアーのオープニングのために作られた曲なので、その後もちろんライブで歌われることはなかったのに、まさか11年も経ってから再び聴けるとは思いもしませんでした。
こういうファンがグッとくることをさらっとやっちゃうのが小渕さんらしいというか……、そういうところ、大好きです。


EN1:SAKURA feat.KOBUKURO (HONEST BOYZ)
EN2:ココロの羽
EN3:ANSWER


京セラドームのみの特別企画として、アンコールにシークレットゲストが登場。
今年はコブクロとのコラボ楽曲を発表したHONEST BOYZが来てくれました。
普段ヒップホップは聴くことがないので、正直なところ良し悪しは全くわからないのですが、1曲目で聴いた「桜」より黒田さんの声が優しく聴こえて、これはこれで悪くなかったと思います。
コブクロのライブでDJブースが登場するというのも今までにないことで、とても新鮮でした。
「ココロの羽」で再びサンドアートで羽が描かれ、その上に「ANSWER」の文字が描き出されると、わあっと歓声が。
この曲はここぞという時の特別な曲という印象が強く、確か10周年ライブの時と今回のツアー以外では聴いたことがないと思います。
最後の「足元を見れば ただ一つの」のところを黒田さんがやけに溜めて歌っているなと思ったら、そっと小渕さんのほうへ寄って行って、ふたりで1本のマイクで「"ANSWER"」と歌ったのにはやられましたね。
京セラファイナル以外ではやっていなかったようで、小渕さんも完全に不意打ちだったらしく、曲が終わってから「なんやねん!」と泣きながらツッコむ姿に、こちらは笑い泣き。
小渕さんが即興で曲のアレンジを変えたりすると時折「思い付きで勝手なことするな」と怒っている黒田さんですが、黒田さんも実はサプライズ好きなんじゃないのかな。
こういうところ、このふたりは本当によく似ているなと思います。


渾身の歌、美しく優しいサンドアート、華麗な照明演出、数々のサプライズ。
ファイナルにふさわしい、見どころ聴きどころの多いライブでした。
最後に観客も一緒に全員で「またライブで会いましょう」を叫べたのもうれしかったし、その言葉通りまたライブに来るぞ!という思いを強くしました。
1週間経った今もまだ、余韻に浸っています。
20周年をお祝いできて幸せでした。
次は8月に上海と台湾での公演が控えているコブクロですが、ぜひ成功させて、最高の形で20周年イヤーを締めくくってほしいと思います。
20周年おめでとう&最高のツアーをありがとうございました!!


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