tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

KOBUKURO LIVE TOUR 2017 "心" @大阪城ホール (10/4)

*演奏曲に関するネタバレはありません。


ツアーも後半に差しかかり、ホールツアーからアリーナツアーに切り替わってようやく、コブクロが地元・大阪に帰ってきてくれました。
前回は7月にパシフィコ横浜でのライブに参加し、セットリストがいまひとつピンと来なかったという感想を書きましたが、今回の大阪城ホールでは一転してどの曲も心に刺さりまくりました。
何というか……やっぱり「聖地」だからなのかなぁ。
もう会場内の雰囲気からして全然違いました。
横浜では曲間で盛んにファンからコブクロへの声援が飛び、ロングMCの前の「聴かせどころコーナー」(勝手に命名) ではスタンディングオベーションが起こり、と、とても賑やかに盛り上がりました。
コブクロのふたりも呼びかけに応じたり、スタンディングオベーションにも喜んでハイタッチしてみたりで、それはそれでよかったと思うのですが、なんとなく個人的には違和感が残ったというのが正直な思いでした。
大阪城ホールでの公演に参加して、その違和感の正体がようやくわかりました。


城ホールは「静か」だったんですよね。
曲間に声援など一切飛ばないのです。
1曲1曲終わるごとに、拍手がやんだ後は完全なる静寂。
9000人を超えるお客さんが入っているとは思えないほどにシーンと静まり返るのです。
アリーナクラスの広い会場での静寂はもはや迫力さえ持ち、ピンと空気が張り詰めて、程よい緊張感を生み出します。
そして、コブクロがそんな会場の空気に応えてくれたと、うぬぼれてしまってもいいかな。
あまり調子がよくないのかなと序盤に思ったのが嘘のように、中盤の黒田さんの歌はすごかった。
こんなにも感情を歌に乗せることができるのかと、今まで何度もライブに参加してきたのに、改めて驚き、感心し、感動してしまいました。
小渕さんの曲説はもういらないんじゃないかというくらい (というのはさすがに言い過ぎ?)、曲の持つメッセージや世界観がまっすぐ心に飛び込んできました。
相方がそんなだと、小渕さんの声もつられてよく伸びて、いいハモりになります。
ちょっと頑張りすぎたのか、アンコールの頃には声がガラガラになってしまっていましたが、とても楽しそうで、充実感がうかがえる表情が見られたのがうれしかったです。
スタンディングオベーションは起きなかったけれど、盛大な拍手で十分ファンの気持ちも伝えられたと思います。


賑やかなライブが悪いと言っているわけではなく、むしろそちらの方がいい場合もありますが、私は大阪城ホールの静寂がすごく好きだなぁと思いました。
思い返してみれば、コブクロ大阪城ホールでのライブはいつもそうだったな、と。
だから、私の中でのコブクロライブのスタンダードはこれだったんだな、と。
遠征して他の会場の雰囲気を知ることで、初めて自分が求めるコブクロライブのかたちがはっきりしました。
遠征自体はとても楽しいので、また他の会場にもいろいろ行ってみたいなとは思いますが、やっぱり私にとってのホームは大阪なのです。
それがコブクロにとっても「ただいま」と言える場所であることをうれしく思います。


それ以外にも、アリーナ仕様になった演出はホールでの演出のよい部分を残しつつさらにパワーアップしていましたし、MCでもしっかり笑わせてくれましたし、小渕さんの曲説も整理されてずいぶん分かりやすくなっていました。
セットリストも1曲だけ変更があったのですが、これも私の中ではかなりしっくりくる変更でよかったです。
また、ある曲でのコール&レスポンスでちょっとレスポンス返しづらいなぁと思った部分が横浜公演の時にはあったのですが、そこもしっかり改善されて格段によくなっていました。
コブクロはツアー途中でも改善するところはきっちり改善してくれるので、アンケートに答え甲斐がありますね。
今回は花道近くの席でコブクロを間近に見ることもできたのですが、そういうラッキーを除いたとしても、端的に言ってとてもよいライブでした。
今まで参加した中でも、5本の指には入るかな。
小渕さんが最後のMCで「みんなにライブ前よりちょっとでも元気になって帰ってもらいたい、明日から現実に戻ったらまたしんどいこともあるけど、今日のライブを思い出して笑ってほしい」と言っていましたが、まさにその通り、これからの日常を生きていくための元気と笑いをたっぷりもらえた3時間強でした。
最高のライブ、ありがとうございました!!
では最後におまけのMCレポをどうぞ。


【誕生日おめでとう!】
この日 (10/4) は、ヴィオラの渡邉智生さん (智ちゃん) のお誕生日でした。
会場全員でハッピーバースデートゥーユー♪と歌って、大きなケーキのろうそくを智ちゃんが吹き消したところで、小渕さんがこの日のために作ってきたオリジナルのバースデーソングが披露されました。
最初のうちは「智ちゃんはいつも優しくみんなのことを見守ってくれていますね」など、なかなか感動的な歌詞で、智ちゃんもうるうるしていたのですが、中盤で衝撃の事実が明かされて空気は一変。
なんと、智ちゃんのお父さんは、あの具志堅用高さんのトレーナーだったというのです。
これには「ええええええ~!!!」と会場騒然。
さらに小渕さんの歌は続きます。
小渕さん (以下「コブ」):♪智ちゃんのお父さんの横には~具志堅用高~ 智ちゃんの横には~藤縄陽子~♪
*注:藤縄陽子さんはコブクロバンドのセカンドバイオリンで、いつも智ちゃんの右隣に座っています。
小渕さん以外全員:(大爆笑)
コブ:♪用高~ 陽子~ 用高~ 陽子~ 智ちゃん誕生日おめでちょっちゅね~♪
黒田さん (以下「クロ」):これ来年のシングルにしよう!iTunesのチャート一瞬ググッと来るんちゃう?
コブ:ほとんどの人にとっては意味わからん歌やけどね。
クロ:きっと全国の「智ちゃん」が買ってくれるで。
コブ:お父さんが具志堅用高さんのトレーナーやったって、僕らもつい最近知ったんですよね。
クロ:用高と陽子って…… (思い出し笑い)
コブ:どっちも「セカンド」ってことで。
クロ:小渕さん、トレーナーの方は「セコンド」やから。
コブ:そっか。じゃあ次から「セコンドバイオリン・藤縄陽子」ってことで!
歌があまりにもウケすぎたせいで、その後の小渕さんの真面目なMCが変な空気になっていました。
シングル出たら買います!(笑)


【城主様の敗北と屈辱】
ロングMCでいつものようにステージ上に座り込む黒田さん。
クロ:もうあかん……。
コブ:どうしたんよ~。
クロ:お前が智ちゃんの誕生日の歌でドッカーン笑いとったから、俺もなんか面白いこと言わなあかん、どうしよ、何しよって歌いながらそればっかり考えてた。
コブ:ええっ、そうやったん!?
クロ:俺19年コブクロやってきたけど、大阪城ホールがあんなどよめいたん初めてやったし……。小渕に会心の一撃決めましたってドヤ顔されるし……。
コブ:黒田くんも今日の歌めっちゃよかったやん!俺ちょっと涙出たもん。
クロ:でもみんな帰りに「小渕さん面白かったね~。黒田さんは歌はよかったけど、あんまり面白くなかったね~」って言うんやで、絶対。
コブ:そっち!?笑いの方が大事なん?
クロ:あのね、宮崎ってめっちゃいいとこなんですよ。人は親切やし、ごはん美味しいし。けど面白い人ひとりもいないんです。
コブ:ちょっとちょっと!それ褒めてないやろ、宮崎めっちゃディスってるやん!
クロ:大阪は面白い人いっぱいいてて、PL学園はみんな野球うまいんと同じで、みんなお笑いのエリートみたいなとこじゃないですか。そんな場所で育った俺が、こんな九州のわけわからんとこから出てきたわけわからん奴に負けるなんて……。
コブ:もう俺を下げるしかないみたいなことになってるやないか。
クロ:あかん。ほんまに何も思いつかん。もう堺東に帰ろうかな……。
黒田さんの名誉のために補足しておくと、黒田さんもある曲で小渕さんのハープにいたずらしたり、KOBUKUROAD 3 (ファンサイト限定のライブDVD) のジャケット候補として自作の謎イラストや謎写真を出してきたりと小ネタをあれこれ繰り出してかなりウケてましたよ。


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