tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

Mr.Children Stadium Tour 2015 未完 @京セラドーム大阪(9/20)

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ミスチルの夏のスタジアム&ドームツアー最終公演となった京セラドーム大阪での公演に参加してきました。
7月に参加したヤンマースタジアム長居は野外でしたが、今回は屋内ということで、同じツアーながら少し違った雰囲気のライブを楽しむことができました。


未完ツアーで一番印象的だったのは、映像による演出が非常に凝っていて、それぞれの曲が持つメッセージを効果的に伝える役割を存分に果たしていたことです。
桜井さんがMCで「愛とは想像力ではないかと思う」と話していましたが、想像力をかきたてられる演出がたくさんありました。
たとえば、3曲目の「ニシエヒガシエ」。
曲の始まりはJENのドラムが刻む力強いリズムから。
そのドラム音に合わせてステージ中央の大きなメインビジョンに映されるのは、軍隊が行進するアニメーション。
この音は軍靴の音だったのか、とハッとさせられます。
そのまま映像に見入っていると、やがて登場するのは軍人ではない、普通の人々。
彼らは軍人たちの軍靴の音と同じリズムで手拍子をしています。
そして、その手拍子はもちろんのこと、この日のライブに集まった4万人の観客の手拍子と重なるのです。
軍靴の音ではなく、音楽に合わせた手拍子を聴きたい――そんな平和への願いが伝わる演出でした。
他には「タガタメ」も、世界の子どもたちを映したモノクロの映像が次々にビジョンに映し出され、桜井さんの熱唱も相まって強く心に響きました。
子どもたちの幸福と平和を祈らずにいられない1曲だったと思います。
「ALIVE」では桜井さんがその場で歩き続ける(ウォーキングマシーンのようなものに乗っていたのでしょうか?)姿が印象的でした。
「歩み続ける」ということが、新しいミスチルを象徴する曲「足音~Be Strong」で歌われていることとも共通するように思え、ミスチルがこれからも「また一歩 次の一歩」と歩き続けるという決意と、ファンに対しても「さぁ 行こう」と共に歩むことを呼びかける気持ちをこめた演出なのではないかと感じました。


アルバム「REFLECTION」発売後のツアーなので、もちろんセットリストはニューアルバムの曲がメインなのですが、それ以外にもヒット曲や懐かしい曲がたっぷり演奏されました。
一番意外だったのはやはり「CHILDREN'S WORLD」です。
1枚目のアルバムに収録されている曲で、長くファンをやっている人でなければ知らない人も多いのではないかと思いますが、それでも最後は全員で大合唱となり、会場全体がとてもあたたかい空気に包まれました。
一緒に歌うと言えば、「終わりなき旅」「innocent world」はもう大定番ですね。
個人的にも大好きで思い入れの深い曲なので、いつも歌いながら胸がいっぱいになって結局ちゃんと歌えないのですが、それも含めてライブの思い出としていつまでも記憶に残る2曲です。
そして、今回のセットリストでは、「未完」から始まって「Starting Over」で終わるという構成がいいなと思いました。
「未完」と言いながら、このツアーはもちろん終わりを迎えます。
でも、大ラスの「Starting Over」で「何かが終わり また何かが始まるんだ」と歌われるのを聴くと、未完ツアーは終わっても、ミスチルの音楽の旅は終わらないし、次にまた何か新しいものを私たちに見せてくれるのが楽しみだと思えて、ライブが終わる寂しさがいくぶん薄れたように感じられました。


桜井さんの一言一言かみしめるように丁寧に語ってくれたMC、テンション高めの(というかファイナルでは若干おかしくなっていた)JENによるメンバー紹介、色とりどりのテープ発射や観客のスマホライトを使った演出――記憶に残る演奏、言葉、光景がたくさんあったツアーでした。
新たな試みもいろいろあって、新体制になったミスチルが、これからのことも考えて様々な可能性を探っていたツアーでもあったのではないかと思います。
大きな足音を日本全国に響かせて完結したツアー。
その先に刻まれる、ミスチルの次の一歩が、とても楽しみです。
桜井さん、中川さん、田原さん、JEN、キーボードのSunnyさん、スタッフのみなさん、本当にありがとうございました!!