tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 12月号

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 12月号 [雑誌]

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 12月号 [雑誌]


12月号はイギリス英語特集ということで、インタビューも全てイギリスの人たち。
普段アメリカ英語にしか接する機会がない私には、とてもありがたい特集です。


ということでまずはデービッド・キャメロン首相&ニック・クレッグ副首相の就任スピーチ。
2人ともさすがイギリスを代表する政治家、非常に平易な表現&語彙を使って、ほどよいスピードで分かりやすく話しています。
イギリスのように多民族国家だと、英語の理解力も人によって差が大きいので、全ての国民が理解できるように分かりやすい話し方をしなければメッセージが伝わりません。
だからこそ私のような日本人の英語学習者が聴くと、よい勉強になります。
話の内容は、65年ぶりにイギリスで連立政権が発足するにあたっての決意や政権の基本姿勢などです。
経済を立て直すとか、格差を縮小するとか、雇用を増やすとか、学校教育を改革するとか…なんだかどこの国でも同じような課題を抱えているんだなということを実感できるようなスピーチでした。
そういう意味でも内容的に理解しやすいものだったと思います。
願わくば日本の政治家のスピーチもこれくらい聞き応えがあるものだったらなぁ…。


次はアガサ・クリスティーの実孫であり、アガサ・クリスティー財団理事長でもある、マシュー・プリチャードさん。
そしてアガサ・クリスティー研究家のジョン・カランさんの、2人に対するインタビューです。
個人的に昔(高校生の頃かな…)アガサ・クリスティー作品が好きだったこともあり、これまた内容的にも理解しやすいよい題材でした。
プリチャードさんは、アガサ・クリスティーの実の孫という立場から、祖母としてのクリスティーに対する思いや思い出話を語っています。
とても素晴らしい祖母だったという話を聞いて、いちファンとしてはちょっと安心しました(笑)
カランさんは、プリチャードさんの招待でグリーンウェイ・ハウス(クリスティーの別荘)を訪れ、そこでクリスティーが創作や生活について書き留めていたノートを発見して『アガサ・クリスティーの秘密ノート』という本を出版した人です。
なんでもクリスティーは酷い悪筆だったそうなので、たくさんのノートを解読するのは大変だったんだろうなぁと思います。
また、この本には未発表のポアロ作品が2編収録されているとのことです。
埋もれていた作品を自分の手で発見して世に送り出す…クリスティーのファンであり研究家として、これ以上の喜びはないでしょうね。
ぜひ読んでみたいです。


最後はイギリスの女子マラソンランナー、マーラ・ヤマウチさん。
オックスフォード大学卒の才媛で、外交官として日本に赴任して日本人男性と結婚されたそうです。
彼女自身も話しているように、マラソンは日本の風土に合っており、人気も高い種目なので、私にとっても馴染みのある話が多くてとても分かりやすいインタビューでした。
旦那さんが日本人だけあって日本人が理解しやすい英語がどんなものかもよく分かっておられるのだと思いますが、語彙や表現、話すスピードなども日本人学習者にとっては非常に分かりやすいものだったと思います。
日本の食事や風土、日本人の精神などをとてもよく理解されているのはさすがだなぁと思いました。
それもうれしいですが、マラソンがとにかく楽しいという言葉も印象的で、好感を持ちました。
ロンドンオリンピックを目指しているという彼女、もし出場が実現したら、日本の選手の大きなライバルになりそうで、今からどっちを応援するか悩んでしまいそうです。