tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 11月号

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 11月号 [雑誌]

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2010年 11月号 [雑誌]


11月号のインタビュー1人目は、ドラマ「ドールハウス」主演のエリザ・ドゥシュクさん。
「ドールハウス」では「生きた人形」の役だったそうです。
ひえぇ、難しそうな役柄だなぁ…。
でもエリザさん自身は3人の兄に囲まれて育ったので、子どもの頃ドールハウスは持っていなかったそうです。
そういう家庭環境が影響したのか、おてんばというイメージがついてまわる女優さんになったようです。
今はセクシーなアクション女優という地位を確立しているそうで。
ドラマを中心に活躍されているみたいだけど、映画には出ないのかなぁ…。
また、英語のほかにスペイン語も話せるという話もしていて、外国語を身につけるにはその言語の環境にどっぷり浸かること、と言われていたのには共感しました。
若い女性の英語は大抵早口で聞き取りにくかったりするのですが、彼女の英語は比較的分かりやすかったです。


2人目は戦場ジャーナリストのジョン・アルパートさん。
「戦場ジャーナリスト」とは言っても、活躍の舞台は戦場に限らないようで、インタビューの中では四川大地震の取材に行った話が一番印象的でした。
大地震が起こって、すぐに現地へ取材に入ろうとするも、報道ビザは取れずに観光ビザで中国に入国したこと。
倒壊した学校の下敷きになって子どもを失った親たちの一団に出会ったこと。
四川での取材をドキュメンタリー映画にしたところ、北京インディペンデント映画祭というイベントで上映が決まり、中国への入国ビザを申請したが政府から拒否されたこと…。
改めて中国の行政のいい加減さや言論統制の酷さを実感できるエピソードが満載でした。
今は銃による暴力と闘う運動に力を入れておられるようですが、ぜひ世界中の人々を救う活動にしてほしいなと思いました。


最後はシンガーソングライターのグレッグ・アーウィンさん。
アメリカ出身の方ですが日本でも活動しており、日本の童謡や唱歌を英訳して歌っているそうです。
童謡や唱歌は日本的な情景を歌っているにもかかわらず、底流にある心情は人間に共通のもののなので、欧米の人々にも共感されるのだそうです。
でもやはり翻訳には苦労があったようで、その一例として「夏の思い出」を挙げられていました。
この歌に出てくる「水芭蕉」は、英語では"skunk cabbage"というのだそうです。
直訳だと「スカンクのキャベツ」…確かにこれでは叙情性も何もあったものではないですね。
インタビューを聴いていて思わず笑ってしまいました。
結局その部分の歌詞は水芭蕉を出さずに単なる「花」とごまかすしかなかったようです。
最後には気になる話もされていました。
日本人はよく歌で英語を勉強しようとしているけれど、実際には歌に出てくる表現は日常会話で使えないものも多いので、よく使われるフレーズを韻も踏みつつ歌詞にした英語学習者向けの歌を作ろうとしているそうです。
これは聴いてみたいですね…。
アーウィンさんの英語はとても簡潔でゆっくり噛み締めるように話していて、とても分かりやすくよかったです。