tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

「とげまる」スピッツ

とげまる

とげまる


【収録曲】
1. ビギナー
2. 探検隊
3. シロクマ
4. 恋する凡人
5. つぐみ
6. 新月
7. 花の写真
8. 幻のドラゴン
9. TRABANT
10. 聞かせてよ
11. えにし
12. 若葉
13. どんどどん
14. 君は太陽

スピッツ3年ぶりのアルバムです。
前作の「さざなみCD」がかなり私好みの曲が多くてよかったので今回も期待していました。
結果、今回も期待以上のよい作品だと思います。
アルバムタイトルが「とげまる」というのを知った時点で、スピッツらしさ全開のアルバムになるんだろうなと予測していましたが、その通りでした。
まるく柔らかい中にもとがっている部分がある。
スピッツらしさとはそういう音楽だと思うのです。


個人的に一番気に入った曲は「恋する凡人」です。
この曲は今年のライブツアーで先行して披露され、私も6月にグランキューブ大阪でのライブに参加したときに聴くことができました。
そのときに草野さんがMCで「ロックになりたいと思ってやってきたけど、結局今もロックになりきれない凡人です」と話していたのが強く印象に残っています。
スピッツは決してロックじゃないわけではないんですよね。
むしろかなりロック魂を感じさせる部分も多々あります。
だけどどこか「普通」な感じがあって親しみやすい。
だからこそ幅広い世代の人に今なお愛され続けているのだと思います。
決してスターじゃない、社会に対する反抗者でもない。
凡人だということこそ、スピッツの一番の魅力なんじゃないかと思います。
マサムネさんもそれを自覚しているのかな。
「恋する凡人」は切なさをはらみつつ前向きな歌詞で、アップテンポなメロディーとリズムにもかかわらず、聴いていると泣けてきてしまいます。
特に一番最後の「これ以上は歌詞にできない」という歌詞にぐっと来ました。
しばらくはこの曲に励まされることになりそうです。


その他の曲では「ビギナー」「新月」「TRABANT」「えにし」「若葉」あたりが好きです。
全体的に以前より分かりやすい言葉で前向きな姿勢の歌詞が多くて、聴いていて元気になれそうですね。
来年はデビュー20周年。
もうすっかり大御所バンドの域ですね。
私もスピッツを聴き始めてから15年ほどになりますが、これからもスピッツが活動を続ける限り、聴き続けていきたいと思います。