tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『ブレーメンII (4)』川原泉

ブレーメン2 第4巻 (白泉社文庫 か 1-17)

ブレーメン2 第4巻 (白泉社文庫 か 1-17)


笑い死にする恐るべき奇病が蔓延…キラ船長はじめ働く動物達は宇宙風水師と共に挑む…!そして最終話は、働く動物達へのあまりに非道な虐待に対してキラ達の怒り爆発!傑作SF堂々の完結!!

本格SFなんだかお気楽ギャグマンガなんだかよく分からない、まさに川原泉ワールドとしか言いようのないこの作品もついに最終巻。
とにかく、最後の最後まで人間や動物はもちろん、植物やわけの分からない不気味な宇宙人まで、全ての生きとし生けるものに対する優しい眼差しが貫かれているのが素晴らしいです。
人間だから、偏見を全く持たないことは難しい。
でも、大切なのは自分の目で確認すること、そして自分が間違っていたと思ったならば非を素直に認め、改めること。
そんなことを教えてくれる作品です。
人間の醜い一面を描きつつ、一方で人間のよい部分もきちんと描いているので、救いがあるし、希望が湧いてきます。
ラストは大団円のハッピーエンドでよかった!
川原作品の登場人物たちは、お気楽に笑っているのが一番似合います。