tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 10月号

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2009年 10月号 [雑誌]

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2009年 10月号 [雑誌]


10月号のインタビュー1人目は、歌手のダフィーさん。
昨年のメジャーデビューアルバム「ロックフェリー」が世界的なヒットとなり、イギリスの数々の音楽賞を受賞した若き歌姫です。
今までENGLISH JOURNALで何人かの女性歌手のインタビューを聴きましたが、女性歌手(特に若手)の話し方ってなんだかみんな似ているような気がします。
英語のリズムは音楽と相性がいいということを実感できるような、とてもテンポのよい流れるような話し方。
発音もはっきりしていて、歌うように楽しく話している感じがして、聴いていてとても耳に心地よいのがさすがだなと思います。
ダフィーさんの英語は母音が強く、少し独特の発音ではありましたが、はきはきと歯切れよくしゃべっているのでとても聞き取りやすかったです。
発音が独特なのはどうやら母語ウェールズ語であることが関係しているようです。
家族の中では父親とだけ英語で話し、友達の中にはウェールズ語しかしゃべれない人もいると話されていたので、私生活ではウェールズ語が中心なのでしょうね。
歌詞がウェールズ語の歌も歌っているようなので、一度どんな感じなのか聴いてみたいです。


2人目はデニース・ウッズさん。
イギリスの「ストップギャップ・ダンスカンパニー」というプロダンスグループの製作責任者です。
このダンスカンパニーは、「integrated dance」と呼ばれる、健常者と障害者が一緒に踊るダンスをやっているそうです。
自閉症ダウン症、身体障害など、さまざまなハンディキャップを持つ人たちが、健常者のダンサーとともに踊るということですが、全く障害を感じさせないような激しい動きもあり、全員がプロのダンサーとして活動しているのだそうです。
日本でもこういう取り組みはあるのでしょうか?
不勉強なものでよく知らないのですが、障害のあるなしに関係なく、さまざまな人が一緒に踊るというのはよい取り組みだなと思いました。
この「ストップギャップ・カンパニー」はもともとはイギリスの公的な機関による取り組みだったそうです。
こうした社会的な意義のある取り組みにはやはり最初は公的な支援が必要だろうと思いますが、「ストップギャップ・カンパニー」はその後の活動も非常にうまくいっているようで、障害者自立支援の成功例としてもっといろんなところに紹介されて欲しいと思います。


最後は2006年のノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌスさん。
バングラデシュの貧困者層向け無担保融資を行うグラミン銀行の設立者であり、総裁でもあります。
バングラデシュの人の英語は初めて聴きましたが…インド英語とはまた違った訛りがありますね。
でもそれほどすごく聞き取りにくいわけでもなく、慣れさえすれば比較的分かりやすい英語だなという感じがしました。
内容的にもなかなか面白く、既存の金融システムには大きな問題があるという話が特に明快で興味深かったです。
例えば、アメリカでは給料を小切手でもらっても、貧困層の人々は信用がないので銀行口座を開くことができず、給料としてもらった小切手を現金化することもできないという話です。
これに対してユヌスさんは信用というものは誰にでも等しくあるべきものだと話されていましたが確かにそうかもしれないと思いました。
お金を得て信用を得るために必要な融資すら受けることができないのでは、貧困層は永遠に貧困から抜け出せません。
貧困を博物館に展示するような過去のものにしたいというユヌスさんの言葉には非常に力があり、印象的なインタビューでした。
…ところでノーベル平和賞と言えば、今年の受賞者はオバマ大統領に決まったんですねぇ。
ちょっと時期尚早な感じが否めませんが、受賞に満足することなく「核なき世界」を本気で目指して欲しいです。