tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

ENGLISH JOURNAL 4月号


ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2009年 04月号 [雑誌]

ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2009年 04月号 [雑誌]


4月号の表紙は見ての通りアメリカのオバマ新大統領。
人気翻訳家の柴田元幸さんによる翻訳付きの大統領就任演説のCDと冊子が付録として付いてきました。
なるほど…オバマ大統領のスピーチを題材にした英語教材はいまや山のようにありますが、翻訳で差別化するとは考えましたね〜。
で、この冊子とCDで初めて全体を通して就任演説を聴いて(読んで)みましたが、けっこう難しいなというのが感想です。
アメリカが現在抱えている問題、前政権が残した課題、歴代のアメリカ大統領による演説の内容、聖書のことば、アメリカの歴史など、アメリカ人にとってはある程度常識なのかもしれないけれど、日本人の場合はきちんとアメリカについて勉強していないと、この演説を完璧に理解することは不可能だと思います。
これを若干27歳のスピーチライターが書いたというんだからすごい。
もちろんオバマ大統領のスピーチにも力があって、惹きつけられました。
まぁオバマさんが政治家として優れているかどうかはまだこれからの舵取りを見ていかなければ分からないけれど、とりあえず日本人としては政治家の演説にあれだけ熱狂できるアメリカの人々がうらやましい…。


さて、本誌のインタビュー1人目は歌手のアヴリル・ラヴィーンさん。
若い女性らしく、くるくると動く表情まで見えるかのような、楽しいおしゃべりという感じのインタビューでした。
でもめちゃくちゃ早口というほどではなく、程よいスピードと日常的な言葉遣いで比較的聞き取りは楽でした。
話の内容では、「日本のファンが大好きだ」という話が印象に残りました。
それはなぜかというと、「礼儀正しいし、とても可愛いキティちゃんグッズをプレゼントしてくれるから!」だそうです。
そして今までにファン(日本のファンではないと思いますが)にもらった印象に残るプレゼントをいくつか挙げていましたが、ウェディングドレスとか、生きたウサギとか、それは微妙に嫌がらせ入ってるんじゃないの…と思うようなものもあり、人気者って大変だな〜なんて思いました。
でもそういうこともポジティブに受け止めているらしき彼女に好感を持ちました。


2人目はヨガ指導者のダンカン・ウォンさん。
若い頃からアジアでヨガの修行をし、現在は京都在住なのだそうです。
ウォンさん曰く、「京都は強力なパワースポット」なのだとか。
なんとなく納得できる気がします。
今は世界中で人気のあるヨガですが、上達のコツはとにかくヨガ教室に出席し続けることだそうです。
当たり前のことのような気もしますが、当たり前のことが意外にできない人が多いからそういうアドバイスになるのでしょうね。
ヨガに限らず何事も継続は大事だと思います。
日本に住んでいる方だからか、とても分かりやすい英語で聞きやすいインタビューでした。


最後はアメリカで代理出産に関する訴訟を手がけている弁護士のアンドルー・キンブレルさん。
代理出産は近年日本でもさまざまな議論を呼んでいます。
私も女性として他人事ではないと思っているので、とても興味深く聴きました。
アメリカは日本よりも代理出産が進んでいますが、やはり問題は山積みなのだなと思いました。
特に、代理出産を依頼した夫婦が、生まれてきた子どもが望んだ性別ではなかったとか、多胎児(代理出産は双子や三つ子になることが多い)が生まれたが1人しか育てられないとかの理由で、せっかく生まれてきた子どもを育てようとせず施設に入れてしまうケースが少なくないという話にはショックを受け、とてもやるせない気持ちになりました。
また、代理母となる女性はほぼ100%が貧困層の女性であり、不妊の夫婦を救う手段と言いながら、結局は生殖をお金で売買するビジネスになってしまうという話にも悲しくなりました。
キンブレルさんは代理出産には反対の立場を取っておられるのですが、代理出産推進派の人々への意見として、「そもそもの不妊の原因を取り除くための支援をするのが先ではないのか」と述べられていました。
私もそう思います。
医学用語も少し出てきて、勉強になるインタビューでした。