tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『ダーリンは外国人 with BABY』小栗左多里&トニー・ラズロ

ダーリンは外国人 with BABY

ダーリンは外国人 with BABY


100万部突破!『ダーリンは外国人』シリーズ待望の新刊!
ダーリンは外国人』で、日本中を爆笑の渦に巻き込んださおり&トニーに、ベイビー誕生!
トニー&さおりに、待望のベビーが誕生。超心配性な2人の「てくてく」子育て模様を、爆笑ネタ満載でお届けします。おむつ代えに泣かされる日々、トニー父としての心構え、さおり母の意外な子守唄、そしてベイビーの愛くるしい姿…。子供をバイリンガルに育てるための苦悩(特にさおり)、勃発した「子育てバトル」など、夫婦の関係も、第2ラウンド突入です!小児科&産婦人科の先生の適切アドバイスも収録&巻末には子育て海外模様も書き下ろしで収録!おなじく『ダーリンは外国人』な漫画家、かわかみじゅんこ先生との鼎談模様もたっぷり入ってます!

なんか最近マンガばっかり読んでるな…(^_^;)


ダーリンは外国人」シリーズの最新刊である本作は妊娠&出産&育児編!
これは読まないわけにはいかないでしょ。
実は私、出産体験や育児話を聞くのが大好きなんです。
ネットでも育児ブログを見つけるとついつい読みふけってしまいます。
自分には育児どころか結婚する予定も全くないというのに…(笑)
今、職場にも妊娠中の方がいて、毎日妊娠ライフの話を聞くのを楽しみにしています。
何が面白いってやっぱり人によって全然様子が違うってことかな。
妊娠中の身体の変化にしたって、ある人は無性に柑橘類が食べたくなって帰宅中に買ったみかんを我慢できずに電車の中で食べちゃったとか、ある人はしょっちゅう冷凍庫から氷を取り出してボリボリ食べていたとか。
陣痛だって人によって全然違うって言うし(痛いのは痛いんでしょうけど)、出産後の育児なんかもう赤ちゃんの個性によって成長具合も全然違って当たり前だし。
一人一人に全く異なるドラマがあって、どの話を聞いても感心させられます。
私も、もちろん他の全ての人も、みんなそれぞれのドラマがあってこそ今があるんだなと思うと、親への感謝の気持ちや命を尊ぶ気持ちも自然に生まれてくる気がします。


小栗左多里さんの場合、「ダーリンは外国人」だからと言っても、日本で妊娠、出産、育児をされているので、特別なことがあるわけではありません。
ダーリンのトニー・ラズロさんは日本人男性よりは家事育児に積極的かもしれないけど、育児初体験であることに国籍は関係ないわけで…。
やっぱり分娩室の中では他の初めてお父さんになる男性同様全く役に立たなかったようです(笑)
でもこれは親近感を持ててよかったですね。
何しろ今までのシリーズで描かれていたトニーさんは数ヶ国語を操るスーパー国際人って感じでしたから…。
国際人だろうとなんだろうと、家庭に戻ればただの新米お父さんにすぎないという事実が微笑ましくて、マンガを読みながら思わず頬が緩みました。
そして、小栗さんのいいところは、自分たちのことを少し離れた視点から冷静に観察しているところだと思います。
子どもを授かったことはもちろんとてもうれしいことだっただろうと思いますが、うれしさよりも不安の方が大きい様子が伝わってきます。
それが自然ですよね。
妊娠すると身体も心も大きく変化するわけで、出産はめちゃくちゃ痛いとか周りの経験者に脅かされるし、出産したら終わりと言うわけではなくて長い長い育児という試練も待っているわけですし。
「妊娠・出産はとにかく素晴らしい!」とやたら神聖化して礼賛するわけでもなく、「うちの子が世界一!」と親バカ全開というわけでもなく、おそらく妊娠と出産を経験する全ての女性が当然感じるであろう不安や迷いを素直にマンガにしているので共感しやすく、読みやすいです。
それでいて、子どもを得た喜びと幸福は優しく、しっかりと伝わってきます。
これから子どもが欲しい女性はもちろん、男性の方にもぜひ読んで欲しい1冊です。