tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『きもち満月/くじら日和』『ぼくらの気持ち』谷川史子


大好きな先輩と両想いになるために、おまじないを始めたみちる。ある日、思わぬ事故をきっかけに白くて四角いものを頭にのせると怪力を発揮する超能力を持ってしまい…!? 新感覚ラブストーリー「きもち満月」と、イトコの鶴ちゃんに恋をしたくじらの切ない想いを描いた「くじら日和」の2編を収録。


「好きで幼なじみになったわけじゃない…」、幼なじみの真澄との近くて遠い関係にもどかしさを感じながら、告白することも出来ずにいた鼓太郎。そんな時、鼓太郎に強力なライバルが登場して…!? 6つの恋の話をギュッとつめこんだ珠玉の読み切り短編集。あとがき/谷川史子
【収録作品】両手でもたりない/抱きしめたい/あなたのてのひらの/最初のクリスマス/彼の時間、彼女の時間

いや〜、やっぱ谷川史子さんいいわ〜。
男の子も女の子もめっちゃ可愛い!
こんな弟妹(まだ息子・娘じゃありませんよ断じて!)欲しい〜と思っちゃいます。


「きもち満月」はちょっと風変わりなラブストーリー。
好きな人と両想いになれますようにと、大好物の豆腐断ちをした女の子が、豆腐に似た色形のものを額に乗せると馬鹿力を発揮するという困った超能力を身につけてしまうというお話です。
ギャグマンガのような馬鹿馬鹿しいノリがおかしくて面白かった!
そんな軽いノリの中でもちゃんとほのぼの可愛らしい恋を描いているところがやっぱり谷川漫画です。
「くじら日和」は愛妻を亡くした従兄に想いを寄せる高校生の女の子が、その従兄と共にアパートの管理人を務めることになるというお話。
めぞん一刻』のようなアパートの共同生活ぶりが楽しい作品です。
この2作品は程よい長さで楽しめました。
一方『ぼくらの気持ち』の方は短編集。
個人的には谷川さんの作品は短編の方が好きです。
短い中にもぎゅっと恋の切なさや喜びのエッセンスが詰まっていて、読後にジンとさせられたり幸せな気分になったりします。
この短編集に収められている6つの短編のうち、お気に入りは「両手でもたりない」。
幼なじみの女の子に恋をするも、その彼女があまりにも鈍感すぎてやきもきさせられる男の子が可愛い♪
ライバルの男の子に悪い噂があることを知りつつも、自分が彼女にその噂を吹き込むのはフェアじゃないからと口をつぐむところが、この年代の男の子らしいプライドの高さと正義感の表れで、いいなぁと思いました。
「恋の駆け引き」なんてまだできない年頃なんだよねぇ。
ラストシーンはなんとも言えず暖かい気持ちになれました。


少女マンガは少年マンガと違って、登場人物のファッション描写も凝っているところがいいですね。
谷川さんの描く女の子たちもみんなとても可愛い服を着て髪型も可愛くて好きです。
少女マンガ好きな人には絶対お薦め♪
私のようないい歳した(泣)元少女も楽しめること間違いなしです。