tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『くらしのいずみ』谷川史子

くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)

くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)


友達夫婦、姉さん女房、年の差結婚、仮面夫婦!? 人生いろいろ、夫婦もいろいろ……
ほんのささいな日常、でも、あったかい暮らし、そして大切な人……
夫婦の形がいろいろあれば、暮らしもさまざま……
まったりゆったりな時間をすごす家族達が貴方に幸せをお届けします。じんわり涙がでてくる、しみじみ家族ストーリー。

時々読ませていただいているブログで谷川さんの新刊2冊が1月・2月に連続して刊行という話を知り、本屋で見て衝動的に買ってしまいました。
…なんかマンガが読みたい気分だったんだよね(^_^;)
そのうちの1冊がこれ。


実は私が少女マンガのよさに気付いたのはかなり遅かったのです。
元々マンガには少年マンガから入ったし…というよりも、マンガに目覚めるの自体が遅かったですね。
小学生の頃はほとんどマンガは読んでいませんでしたね。
今から思うとうまく親にマンガから遠ざかるよう仕向けられていた…ような気もするのですが。
とにかく小学生の頃はマンガよりも圧倒的に活字のほうに興味があったので、児童書や世界の名作児童文学(「小公女」とか「若草物語」とか「赤毛のアン」とか…)を読み漁っていました。
マンガにハマったのは中学生になってから。
ちょうどその頃「週刊少年ジャンプ」が全盛期でした(「ドラゴンボール」「幽☆遊☆白書」「SLAM DUNK」「ダイの大冒険」「るろうに剣心」…)。
ジャンプによりマンガにハマって、少女マンガも友達に薦められるままに読んではみましたが、少年マンガほどにはのめりこめませんでした。
少女マンガに描かれている日常的な恋愛話は、当時の私にはあまり共感を持てるものではなかったんですよね。
自分には縁のないもののように感じられたというか。
そのまま高校生になったある時、矢沢あいさんの「天使なんかじゃない」を読んで、初めて少女マンガっていいもんだなぁと思いました。
それからは少女マンガもたくさん読むようになり、最近ではすっかり少女マンガ好きになってしまっています。


少女マンガの中でも特に王道的な切なくもほんわかとハッピーな作品を描かれるのがこの谷川史子さん。
ずっと「りぼん」などの集英社の少女誌で描かれてきた谷川さんが、初めて集英社以外の、しかも青年誌に挑戦されたのがこの『くらしのいずみ』です。
青年誌ということでちょっと大人向けの話にはなっていますが、作風は全然変わっていません。
優しく繊細な線で描かれた可愛らしい6組の夫婦の物語を包み込む空気は、温かくて、切なくて…。
くらしのいずみ」6話+読みきり短編1話、どの話もボロボロと涙があふれてきました。
悲しい話というわけではなくて、どんなに途中が切なくてもラストは必ず救いと希望がほんわか優しく包み込んでくれるような話なのですが、どうにも涙腺を刺激されまくりでした。
当たり前の話かもしれないですが、結婚は恋愛のゴールではないんですね。

当然だなんて
思っちゃ
ダメです


ふたりが一緒に
くらしてるって
ことも

これはある登場人物のセリフですが、これって結婚生活の真理を表しているのかもしれませんね。
一緒にいることを当然だと思うのではなくて、一緒にいられることに対する感謝と相手への思いやりをいつまでも忘れずに持ち続けることが、幸せな結婚生活を続けるための秘訣なのかなと思いました。