tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

「コブクロ LIVE at 武道館 NAMELESS WORLD」

コブクロ LIVE at 武道館 [DVD]

コブクロ LIVE at 武道館 [DVD]

過去へと遡るように順番に少しずつコブクロのライブDVDを集めて観ていくつもりです。
これはその2本目。
武道館で行われた、「NAMELESS WORLD」ツアーのファイナル公演を収めたDVDです。


映像や音のクオリティは最新DVDの「Way Back to Tomorrow」の方が上かなと思うけれど、感動度でいったらこっちの方が上かも。
特に中盤の「遠くで…」から「桜」への流れは確実に泣けます。
「遠くで…」はインディーズ時代の曲なので少々マイナーですが、小渕さんが亡くなったお母さんを思い書いた曲。
「蕾」や「風」では遠まわしに描かれているお母さんへの思いが、この「遠くで…」では非常にストレートな歌詞で歌われています。
黒田さんも最初のAメロとラストのハモリ部分を歌っているものの、ほとんどは小渕さんのソロで、まさに熱唱としか言えない歌いっぷりに、涙が自然に盛り上がってきます。
そしてその後の「桜」。
2番のサビで、涙で声を詰まらせ、歌えなくなってしまう黒田さんの姿を見、歌い終わった後の小渕さんの声を震わせながらの曲説(「『桜』が僕たちを武道館まで連れてきてくれました」)を聞いた時、小渕さんがこの曲を「コブクロの原点にして頂点」という意味が初めて分かったような気がしました。
小渕さんが黒田さんの歌声に惚れ込み、この声をもっとたくさんの人に聴かせたい!という思いから書き上げ、黒田さんに贈ったという「桜」。
それをきっかけにコブクロが結成され、そこから全てが始まって…。
これから先、新しく2人が生み出す曲が、音楽的クオリティや売り上げの面で「桜」を超えることはあるでしょう。
でも、コブクロの2人の思い入れや歴史が詰まった曲という点では、「桜」を超える曲は絶対にありえない。
そういう意味で「頂点」なんだな、と。
「桜」を最初に作って黒田さんに贈ったのは小渕さんでも、作詞・作曲に2人ともクレジットされているのには、「2人で作り上げ育て上げてきた曲なんだ」という思いが込められているのだと思います。
それにしても、黒田さんが感極まって一度は歌えなくなりながらも、最後には持ち直してマイクオフでのアカペラをきっちり決めるあたりはさすが。


もちろん感動だけじゃなくてMCではバッチリ笑わせてくれます。
副音声では2人が自分たちのライブを見ながら雑談しまくり。
ま〜この2人はようしゃべりますわ(笑)
あのMCって本当にネタ合わせとかしてないの??
ツッコミのタイミングとか完璧ですよねぇ…。
歌手のライブDVDでここまで笑わせてくれるのは珍しいんじゃないかと。
実は本業は芸人だとか言われても驚かないぞ(それは言いすぎ…?)


笑いあり、涙ありの盛りだくさんの内容で、何度見ても楽しめそうです。
コブクロはライブを観てナンボ!
とは言え今はライブのチケットを取るのはとても難しいので、DVDで多くの人に観てもらえるのはとてもよいことだと思います。