tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『小生物語』乙一

小生物語 (幻冬舎文庫)

小生物語 (幻冬舎文庫)


多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫化。希代のミステリー作家・乙一≒小生の波瀾万丈、奇々怪々にして平穏無事な164日間をご堪能ください!文庫書き下ろし日記付き

ミステリ作家・乙一さんがホームページで「連載」していたウェブ日記を1冊の本にまとめたものです。
が、さすがは乙一さん、フツーのウェブ日記ではありません。
乙一さんの日常の話の中に、数々のフィクションが紛れ込んでいます。
現実と虚構が入り混じる文章の中に見え隠れする乙一さんの人となりが面白い。
くだらない妄想をしてみたり、やたら自分を卑下してみたり、幻冬舎や講談社や角川書店など自分がつきあいのある出版社を褒めちぎってみたり、生後10ヶ月の姪にメロメロになってみたり、作家なのに活字が苦手だと言ってみたり、しょっちゅう「ショックで眠れなくな」ってみたり…と内容盛りだくさん(?)で、プッと噴出してしまったり、微笑ましく思ったり。
なるほど、乙一さんの作品のあの独特の雰囲気や奇想天外な発想は、こうした日常から生まれてくるのね〜と納得しつつ楽しませてもらいました。
面白かったです。
☆4つ。


ところでこの本の中で、乙一さんは佐藤友哉さんら作家仲間と一緒に合コンをして、そこに島本理生さんも来ていたと書いてありましたが…。
佐藤さんと島本さんって最近ご結婚されたんですよねぇ。
…もしかしてこの合コンが出会いだったんでしょうか!?