tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『失踪HOLIDAY』原作:乙一、漫画:清原紘

失踪HOLIDAY (角川コミックス・エース (KCA170-1))

失踪HOLIDAY (角川コミックス・エース (KCA170-1))


わたしを誘拐したのは…わ・た・し!
大金持ちのひとり娘「菅原ナオ」は、イキオイにまかせて家出してさらに自分で自分を誘拐しちゃうことに!! 狂言誘拐サスペンスコメディー登場!!

乙一さんの切ない系誘拐コメディの漫画化作品。
原作ファンとしては、こういう二次派生的な作品は出来が不安なものですが、他の読書系ブログなどでわりと評判がよかったので買ってみました。
黒一色の装丁はセンスがよくて好きですが、画風が分からないのでどうかな〜と思っていましたが、絵はすごくうまかったです。
主人公・ナオの心理描写もうまく描けてたし、娘(実際は血はつながっていないのですが)命のお父さんもコミカルで面白い。
お父さんの秘書や後妻さんは美人だし、それぞれちゃんとキャラも立っている。
乙一さんの原作の雰囲気を壊さずに、オリジナルのギャグもプラスされています。
ただラストの展開がちょっと急すぎたかな。
あそこはこの作品の肝だと思うので、もうちょっと丁寧に描いてもよかったと思います。
それと使用人のクニコさんがメガネにメイド服というのは…やっぱり昨今の流行だからなのかな。
ちょっとここだけ原作とイメージが違ったわ(笑)
でもまぁ、全体的に見るととてもよくできた作品だと思います。
春にはテレビドラマ化するそうですし、原作ファンも、乙一って誰?って人も、一度は読んでみて損はないのではないでしょうか。