tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

「ap bank fes'06」Bank Band with Great Artists

ap bank fes’06 [DVD]

ap bank fes’06 [DVD]


2006年7月15日から17日の3日間にわたり行なわれた野外音楽イベント「ap bank fes'06」の模様を収録。Bank Bandをホスト役に据え、豪華アーティストたちが素晴らしいライブパフォーマンスを披露。本DVDのために新たに選曲&再編集されたベストライブ集。

今年の自分へのクリスマスプレゼントはこれ。
これから年末年始の休暇中にゆっくりじっくり見るつもりですが、とりあえずDVD3枚組のうちDisc 1のみ見ました。
この1枚目のディスクには、Bank Band、レミオロメン、コブクロ、BoASalyuのライブが収録されています。
Bank Bandは小林武史さんとミスチルの桜井和寿さんを中心に、ap bankという環境保護活動のための融資を行う「銀行」の活動資金作りのために結成されたバンドです。
「to U」などオリジナルの曲もありますが、ほとんどは他のアーティストの名曲のカバーをやっています。
このDisc 1でも何曲かカバーを披露していますが、私的にはTHE BOOMの「星のラブレター」のカバーがとてもうれしかったです。
この曲大好きなんですよ〜♪
桜井さんの歌う「星のラブレター」…曲が大幅にアレンジされているというわけでもないのに、しっかり「桜井さんの曲」になってました。
というか全般的に(桜井さんをはじめBank Bandは他のアーティストのステージにもずっと一緒に参加しているのです)、桜井さんは非常に存在感のあるボーカリストだなと感じました。
誰のどんな曲を歌っても、必ず自分の曲にしてしまうんです。
星のラブレター」だけではなく、今回出演予定だったのに結局出演できなかった忌野清志郎さんの曲を歌っても、MY LITTLE LOVERの「evergreen」を歌っても、全然違和感がなくて「ミスチルにこんな曲あったっけ」なんて思ってしまうくらいなのです。
今年GAKU-MCと組んでリリースした「手を出すな!」を初めて聴いたときも、途中から桜井さんのボーカルが乗った途端「あ、ミスチル」って思いました。
でもそれは、元歌のアーティストを食ってしまっているというのではなくて、元歌のよさを残しつつ桜井流になっているという感じなので、元歌のファンにも受け入れやすいのではないでしょうか。
トリビュートアルバムなどの企画ものやカバーアルバムなどを聴くと、あまりに元歌とイメージが違いすぎたり、そもそもカバーアーティストの歌唱力が元のアーティストのそれに全然及んでいなかったりでがっかりさせられることも多いのですが、Bank Bandによるカバーはそういったことがほとんどないので、安心して聴くことができます。
まぁそもそも桜井さんの歌い方や声(わりと独特ですもんね)が好きじゃない人にはつらいかもしれませんが。
でも他のアーティストの曲のカバーってけっこう難しいと思うんですよね。
そのアーティストのファンの気持ちも考えなければいけないし、ただそのアーティストの真似をして歌うだけではものまねかカラオケになってしまってプロの歌手のやることではなくなってしまうし。
その点、桜井さんはやっぱりすごいなぁと思うのです。


他の出演者のライブももちろん素晴らしかったです。
その中で一番楽しみにしていたコブクロは、桜井さんも加えて3人のハーモニーで「桜」を熱唱。
アレンジもだいぶ変わっていて、聴き慣れたいつもの「桜」とはまた違った印象でしたが、違和感は全くありませんでした。
というか桜井さんとコブクロの小渕さんって意外に声質似てるんですねぇ。
サビでこの2人とコブクロ黒田さんのメインボーカルとがハモったときは感動しました。
ステージが終わったあと、小渕さんが「14年かかってやっと夢が叶った」と満足げな表情で話していたのが印象的でした。
ストリート時代、ずっとミスチルのコピーをやっていたというコブクロ。
Disc 2にステージが収録されているスキマスイッチも最初はミスチルのコピーをやっていたそうですが、こうした「ミスチル世代」のアーティストが育ってオリジナルの曲でヒットを飛ばして、こうして自分が主催するイベントに参加してくれるようになったことは、きっと桜井さんにとってもとても幸せなことだったんじゃないでしょうか。
その証拠に、このライブ中、桜井さんも他の出演者たちも、楽しくてしょうがないといった感じで、とてもいい表情でステージに立っていました。
思わずこっちも笑顔になっちゃいましたよ。
本当に素敵なライブでした。
早くDisc 2と3も見たくなっちゃった。
スキマスイッチの「ボクノート」とか、小田和正さんの「言葉にできない」とか、ASKAさんの「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」とか、桑田佳祐さんの「奇跡の地球」とかがすごく楽しみ。


付属の冊子は、環境のことや戦争のことなど、地球が抱えるさまざまな問題について勉強になる内容になっています。
また、DVDの方にもライブだけではなく、会場内に設置されたオーガニックフードのお店の様子なども収録され、ap bank fesが伝えようとしているメッセージがきちんと収録されています。
こういうイベントに対しては、批判の声もあることでしょう。
ですが、音楽の力で集められたお金が地球のために使われるなら、それはとても価値のあることではないかと思います。
このライブの出演者たちと違って、地球を救うことができるかもしれないほどのお金を生み出せる才能もスキルもなく、人を動かす力もない私は、せめて地球のことを考えている人たちの作ったものを選んで買うことで、少しでも地球のためになることができれば…と思います。


ほぼ全編にわたって桜井さん出ずっぱりなので、他の出演アーティストのファンでも桜井さんが好きでないならおすすめしませんが、桜井さんやミスチルが好きなら間違いなく買いの一品でした。