tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

「タッチ」

タッチ スペシャル・エディション [DVD]

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先日の金曜ロードショーで放映されたのを録画して観てみましたが…う〜ん。
漫画の実写化が非常に難しいということも、そもそもコミックス20巻を超える長編を2時間の映画にしようというのが無茶な話ということも、分かってはいますがそれでも残念に思わずにはいられない出来ですね。
基本的に下手な脚色を入れず原作通りの展開にしたのはいいのですが、展開が速すぎてカッちゃんの死を悲しむ暇も、タッちゃんと南の恋の進展のなさをじれったく思う暇もありませんでした。
原作のストーリーのダイジェストって感じですね。
あだち充さんの作品は独特の「間」とか余韻が特徴だと思うのですが、それが全くこの映画版にはありませんでした。
また、原作との一番の違いは、南もタッちゃんも「普通の人」になっているところです。
南は容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能の学校のアイドルでもなくいつも明るく前向きな性格でもなく、単に野球が好きでタッちゃんに思いを寄せる普通の女の子でした。
タッちゃんもダメ男が弟の死をきっかけに成長していくって感じではなくて、野球をやっていないだけで大してカッちゃんと変わらない感じでしたね。
というかタッちゃんの存在感があまり感じられなかったのはなんで??
南を主人公として描いているからなんでしょうかね。
ラストもちょっとあっけない感じで、せっかくのあの名台詞(「上杉達也は浅倉南を…」)がとってつけたようなものになってしまっているのがとても残念でした。
しかもエンディングのスタッフロールがカットされてた!!
これはテレビ放送の時間の関係上なんでしょうけど、YUKIちゃんの主題歌、ちゃんと聴きたかったのに…。
う〜む、いろんな意味で残念な映画でした。
あ、パンチ(犬)は可愛かったです。
原田君が原作通り下駄履いてるのも笑いました(笑)
しかしこの分だと速水もこみちさん主演の「ラフ」も期待できないかな〜?(そもそもどう考えてももこみちさんに圭介役は無理があると思う…)