tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『河童が覗いたヨーロッパ』妹尾河童

河童が覗いたヨーロッパ

河童が覗いたヨーロッパ


1年間をかけてヨーロッパ22ヵ国を、主目的の演劇関係は勿論、街角、ホテルの部屋、国際列車の車掌氏、家々の窓に至るまでを描きまくった、覗きの河童の原点。旺盛な好奇心と優しい眼で描いた「手描き」ヨーロッパ。

1日に2冊分の感想を書くのは初めてかも。
これも借り物です(^_^;)


まぁこの本は有名ですから私が改めてどうこう論じることはないかもしれませんね。
舞台美術家の妹尾河童さんが全て手描きで書かれたヨーロッパの旅行記です。
「ヨーロッパ」といいながらなぜかアメリカやメキシコも入っていますが…。
でもヨーロッパに限らず外国文化や旅が好きな全ての人にお薦めしたい本です。
河童さんが巡ったお城や史跡、乗った鉄道のコンパートメントに車掌さん、泊まったホテル(激安ホテルばっかり!!)の部屋など、緻密なスケッチが満載で、読んでいるだけですっかり旅気分になれます。
日本とは全く違うヨーロッパの人々の気質や考え方にも触れられていて、比較文化の話としても面白いかも。
なにより、河童さんがプラス思考で物事を捉える旅上手だからこそ、こんな興味深い旅行記が書けるんでしょうね。
「外国って汚いし食事もまずいしスリも多いし〜」なんて文句ばっかり言っている人の旅の話を聞いたって面白くもなんともないでしょう。
私は人から借りたものということもあって一気に読みましたが、この本は常に手元に置いておいて、気が向いたときにペラペラめくってみて目に留まったページをじっくり眺める、という楽しみ方がよいのではないかと思います。
☆5つ。