tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『ゲームの名は誘拐』東野圭吾

ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)

ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)


前代未聞の誘拐小説!
事件は犯人の側からのみ描かれる。
果たして警察は動いているのか?
驚愕必至、充実の最新作!!

あっという間に読んでしまいました。
この読みやすさはさすが東野さんですね。
ただ、あまりにも読みやすすぎてあっけなさも感じました。
白夜行』や『片想い』などと比べると読み応えがない感じ。
物語の重厚さはありませんが、エンターテイメントとしては面白いと思います。
藤木直人さん&仲間由紀恵さん主演で映画化されたのも納得。
ちょっと仲間さんはイメージが違うような気もしますが…。


大手自動車会社の新車のプロモーションを手がけるというビッグプロジェクトからその会社の副社長の一言で下ろされた主人公・佐久間は、偶然その副社長の令嬢・樹理に接触。
樹理は実は副社長の愛人の子どもで、常々家を出たいと思っていた。
思惑が一致した佐久間と樹理は、狂言誘拐を思いつく。
誘拐という名のゲームを完璧に進めていく佐久間だったが…?


途中でなんとなく結末が読めてしまったのですが、それでもラストの急展開はお見事だと思いました。
伏線も上手く張って、最後もきれいにまとめていましたしね。
きれいにまとまりすぎちゃったかなという気もしないではないのですが。
個人的にはラストシーンのその後が気になりますね。
佐久間と○○○がその後どうなったのか…。
狂言誘拐については知らぬ存ぜぬで、元通りの関係を保っていくのか…それとも。
この作品は、できれば間をおかずに一気に最後まで読まれることをお勧めします。
スピード感が心地よい作品だと思うので。
☆4つ。