tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『星降り山荘の殺人』倉知淳

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)


雪に閉ざされた山荘。
ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。
交通が遮断され、電気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件…。
果たして犯人は誰なのか!?
あくまでもフェアに、読者に真っ向勝負を挑む本格長編推理。

や〜ら〜れ〜た〜!!!(笑)
あっさり作者の意図どおりに騙されてしまいました。
ちゃんと怪しい部分で怪しいと思ったのになぁ。
疑っていながらなぜこうもコロッと騙される?
こういうタイプの「仕掛け」のあるミステリには私、ことごとく騙されてます。
自分の単純さと騙されやすさに情けなくなります。
でも、この作品の楽しみ方としては間違ってないですよね。
きっとこの作品は、「騙された!」と思えなかった人には面白くない作品だったでしょうから。
とにかく、この作品を読むときは小難しいことは一切考えないことです。
吹雪で孤立した山荘で起こる連続殺人事件、というミステリのお約束とその雰囲気にどっぷりハマって酔いましょう。
探偵役とワトソン役の言葉に素直に耳を傾けましょう。
そうすれば、ラストできれいに騙される爽快感を味わうことができるはずです。
シチュエーションはいかにも本格ミステリの趣ですが、雰囲気は重くなく、どこかコミカルな雰囲気があるので、ミステリ初心者でも読みやすいと思います。
さぁ、一緒に騙されましょう!(笑)