tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『H2 16巻 サンデーコミックスワイド版』あだち充

やっぱりまだAmazonに登録がない…。
ISBN:4091277969


ひかりと比呂のお互いに対する気持ちを知った英雄は、ひかりに「おれか比呂か、もう一度ちゃんと選べ」と告げる。
そして最初で最後の対決を目指し、順調に甲子園を勝ち進んでいく比呂と英雄。
昨年、比呂が勝利という誕生日プレゼントをひかりに贈り損ねた日に、今年は英雄が勝利をプレゼント。
さらに次の試合では3打席連続ホームランという大記録を達成し、まさに絶好調の英雄。
一方比呂は準々決勝で先発を木根に譲って英雄との対決前に休養を取る。
大観衆のプレッシャーの中、限界まで投げ切ってついに完投勝利した木根。
その瞬間、準決勝での夢のヒーロー対決が決定した!


さあ、クライマックスです!
ついに英雄はひかりを賭けて比呂との勝負に挑む決意をひかりに告げます。
この巻の名台詞はここ以外にないでしょう。

最後まで見届けろよ。
―そして選べ、おれか比呂か。
(中略)
選んじゃいねえんだよ、あの時は……
おれと比呂を並べては見なかったろ。
―いや、見れなかったんだよ。
比呂は、おまえと並んでいたんだから。
ずっとおまえのそばにいたんだから……
選ばせてやるよ。
ちゃんともう一度。

…なんだかんだで自信満々な気がするのは私だけでしょうか(^_^;)
英雄は自分が比呂との野球対決で負けるとは思ってないですからねぇ。
もちろん、もしも自分が負けるとしたらその相手は比呂だけだ、という思いもあるのだとは思いますが。
でもその思いがさらに英雄を練習へと駆り立て、より一層強打者として成長させるのですから、もはや向かうところ敵なしという感じです。
というか比呂もなんですが、本当にこの2人、恐ろしいくらいに怪物です。
本当にこんな名ピッチャーと名打者がいたら、高校野球は、そしてその後のプロ野球も、めちゃくちゃ盛り上がること間違いなしです。
比呂なんか本当に全くの無名校の名をいきなり全国一有名にしてしまっているんだから只者ではありません。
しかもそんな怪物ぶりを発揮する2人も、普段は本当に普通の高校生だというのが彼らのいいところ。
試合中の「闘う男の顔」と、普段の屈託のない明るさとのギャップが魅力的です。
特に野田と共に川で魚とりに興じる比呂はどっからどう見てもまだまだ無邪気な10代の男の子なんですけどねぇ…。
ひかりも春華も、このギャップに惚れてるんでしょうね、たぶん。
同じ女として、なんとなく、いや、よーく分かるような気がします。