tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『H2 6巻 少年サンデーコミックスワイド版』あだち充

帯にドラマ「H2〜君といた日々」の主役2人の写真が!
う〜ん、やっぱり山田孝之君は比呂じゃないわ…。
石原さとみ as 春華はどうなんかね。
演技力次第って感じですが。
でも思うにやっぱり「H2」「タッチ」と相次いで「セカチュー」の役者さんを使って実写化するのは、今の若い子(ハタチ以下)にあだち充の漫画を売りたいからなんでしょうね。
きっと私みたいなオバサンはお呼びじゃないんだと思うわ(;_;)

H2 (6) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

H2 (6) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

夏の全国高校野球選手権大会、地方予選大会2回戦。
1回戦をコールド勝ちして波に乗る初出場の千川高校は、早くも優勝候補と目される石神商業と対戦することになる。
この石神商業の4番バッター・支倉はなにやら春華と関係があるらしい!?
自ら絶好調だという支倉だが、比呂も本日のコントロールは完璧。
炎天下の中、絶好調vs絶好調の名勝負が繰り広げられる。
本格的に甲子園を目指す戦いが始まるさなか、比呂・春華・ひかり・英雄の4人それぞれの恋もいよいよプレイボール…?


この巻はようやく本格的に物語が動き始めた重要な1冊という感じがします。
比呂の「超高校級投手」としての実力がようやくヴェールを脱ぎ始めました。
早速マスコミから注目されるようになり、英雄より一歩遅れて高校野球界のヒーローへの道を歩み始めます。
この辺り、恋愛でも一歩英雄に遅れを取ってしまったことと呼応していますね。
その恋愛なんですが。
ものすごい進展がありました。
春華ちゃん…いきなり「キスしていい?」なんて大胆すぎです。
でも素直で一途な春華らしくていいですね。
比呂のほうが「汗臭いから」とかなんとか気を遣っちゃってるのがほほえましい。
でも「ホッペに」と言われてちょっとがっかりした表情…比呂ったら一体何を期待していたのでしょう(笑)
そして偶然にもそのシーンを目撃してしまうひかり。
表面上はふたりを祝福しているかのように振舞っていますが、やはり動揺しています。
こうした一連の比呂曰く「事故」が起きた夜、比呂とひかりが2人で話すシーンが、2人の言葉も表情も切なくていい感じです。
というわけでこの巻のイチオシ名台詞はこのシーンからこちら↓

ファーストキス…か。
どっちにしたって遅えよな。
ちょうど二年遅れか、おまえ達の…
中3の夏だろ。
英雄から聞いたよ。
世界一幸せそうな顔してとんできたぜ、あいつ。
―――でも、
あの時のおれは、お前のファーストキスに乾杯する気にはなれなかったな。
(中略)
―――ということで、ほんじゃ改めて、
二年前の英雄とおまえのファーストキスに、
乾杯。

…比呂、ちょっとかっこつけすぎでは?ってくらいにこのシーンの比呂はかっこいいのです。
二年前は祝福する気にはなれなかったけど、今は素直に祝福できる…つまり、ひかりではなく春華へと気持ちが傾いていることの表れなのでしょうか。
それだと同時にひかりにとっては「今までは好きだった」という比呂からの告白とも取れるわけです。
この後、必死で比呂から離れ、英雄のそばにいる時間を増やそうとするひかりが可愛くて、けなげで、ちょっと切ない。
英雄にわがまま言ってつき合わせたり、最初は断っていた野球部のマネージャーの話を引き受けたり。
それでも、会話のテンポが合って、同じ思い出を共有できるのは、やっぱり英雄ではなく、幼い頃からそばにいた比呂の方…。
複雑になってきましたね。
って言うかこの展開から見てもやっぱりこの漫画のヒロインはひかりでしょ。
なんでドラマは春華のほうがメインなんだろう。


今日はちょっといろいろありましてへこんでいたのですが、『H2』のおかげでちょっと復活しました。
やっぱり漫画はいいですね。