tontonの終わりなき旅

本の感想、ときどきライブレポ。

『赤ちゃんをさがせ』青井夏海

赤ちゃんをさがせ (創元推理文庫)

赤ちゃんをさがせ (創元推理文庫)


三人の妊婦が妻として登場した家で始まった本妻捜し。
女子高生の出産騒動。
次々キャンセルされる依頼の謎。
自宅出産専門の出張助産婦コンビが向かう先は、何故かおかしな謎を抱えた家庭ばかり。
それらの謎を鮮やかに解き明かすのは、「伝説のカリスマ助産婦」明楽先生!
見習い助産婦・陽奈の成長と安楽椅子探偵の冴え渡る推理を描く、爽やかなユーモアに満ちたシリーズ第一弾。

まだまだ続く(?)「新しい作家さんに挑戦」!
今回は青井夏海さんの『赤ちゃんを探せ』。
この作品、少し前にNHKでドラマ化され、話題になったのでぜひ読みたいと思い、ずっと探していたのですが、どこの書店にもない!!
創元推理文庫自体、扱っていない書店が多いので仕方がないのですが、扱ってる店でもなくて、探し回る羽目に。
結局、ここは絶対ないだろうと思っていた、地元の書店で発見。
灯台下暗しってやつですか。


この作品はいわゆる「日常の謎」系ミステリ。
しかし北村薫さんや加納朋子さんら代表的な日常ミステリー作家とも少し作風が異なり、とてもほのぼのと和めるミステリでした。
やっぱり人が死なないミステリーはいいですね!
安心して読めます。
『赤ちゃんを探せ』に至っては、人が死なないどころか、人が生まれるんだもん。
この発想の逆転とも言える題材選びがまず気に入りました。
それに、登場人物のキャラクター性もよかったです。
おっちょこちょいでお調子者、でも憎めない見習い助産婦の陽菜ちゃん。
冷静沈着な自宅出産専門助産婦の聡子さん。
年の功を感じさせる安楽椅子探偵、カリスマ助産婦の明楽先生。
この三人の会話の掛け合いが面白いのです。
他にも、いろいろな事情を抱えた妊婦さんたちも印象深いです。


それにしても自宅出産…いいかも。
病院でいろんな機械に囲まれて産むってのも怖いし…その点自分の家だったらリラックスできそう。
まあまだまだ先の話でしょうけど…ね(^_^;)