綾辻行人『黒猫館の殺人』

黒猫館の殺人 (講談社文庫)

6つめの「館」への御招待―自分が何者なのか調べてほしい。
推理作家鹿谷門実に会いたいと手紙を送ってきた老人はそう訴えた。
手がかりとして渡された「手記」には彼が遭遇した奇怪な殺人事件が綴られていた。
しかも事件が起きたその屋敷とはあの建築家中村青司の手になるものだった。
惨劇に潜む真相は。

久々の綾辻作品でした。
これで綾辻の「館シリーズ」は、文庫化されてる分は全て読破したことになります。
やっぱり謎解きが鮮やかで、読み終わったあとすっきり。
こちらも『レベル7』同様記憶喪失の人物が出てきて、こちらは途中でなんとなく正体が分かりました。
でも犯人は「なんとなくこの人かな？」というのはあったのですが確証がなかったし、「黒猫館」という館の謎に至っては、思いも寄らない真相が待っていました。
すっかり綾辻氏お得意の叙述トリックにだまされてしまった…。
でもこの「やられた！」っていう感じが快感なんですよね〜。
これだから本格ミステリはやめられません。