- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 光文社
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四人の若者が廃工場に瀕死の男を運び込んできた。
その男を“始末”するために。
目撃した青木淳子は、力――念力放火能力(パイロキネシス)を放ち、三人の若者を炎上させる。
しかし、残る一人の若者は逃走。
淳子は、息絶えた男に誓う。
「必ず、仇はとってあげるからね。」
一方、現場を訪れた石津ちか子刑事は、不可解な焼殺の手口から、ある事件を思い出していた!
『クロスファイア』上・下巻とも読了しました。
想像以上に重いラストでした。
念力放火能力(パイロキネシス)という超能力で、法や公的権力が裁くことのできない凶悪犯罪者を「処刑」してきた主人公、淳子。
「装填された銃」として、殺戮を繰り返してきた淳子が、同じように超能力(種類は違うけれども)で「処刑」する木戸浩一と出逢って、人を愛し、愛される喜びを知って、ようやく「人間」として生きる道を見つけた、と思ったのに…。
想像もしなかった残酷で悲劇的な結末だけに、少しショックを受けてます。
あまりに報われなくて、涙も出なかったくらい。
まあ、この終わり方でなければ、淳子は「能力(ちから)」から解放されることはなかったのだろうけど…それにしても「切ない」どころではなく悲しすぎる衝撃の結末でした。